3日間開催の月曜(18日、中山)に行われる
菊花賞トライアル「第77回
セントライト記念」(3着まで優先出走権)の最終追いが14日、東西トレセンで行われ、美浦Wコースで進化を示したのが
皐月賞馬
ソールオリエンスだ。馬体の成長はこの日、またがった主戦・
横山武史の期待通り。内容と結果が求められる始動戦へ、視界は良好だ。
馬の成長は千差万別。一夏を越した3歳馬が、全て見違えるようにたくましくなるわけではない。数々の素質馬の背を知る横山武も、馬づくりの難しさは百も承知。それだけに、
ソールオリエンスの最終追い後は言葉が弾んだ。「生き物なのでなかなかこちらが思い描いた通りに成長できるわけではないのですが(ソールは)こちらのイメージ通りの成長曲線。完成はまだ先だけど、そこに向けて成長してくれています」
Wコースの最終追いは圧巻の動きだった。
ドゥラモンド(5歳3勝クラス)を3馬身ほど前に置いてスタート。外ラチいっぱいをリズム良く駆け、直線はガツンと加速する。内から実績のある僚馬を一瞬で抜き去り、ラストは1馬身半先着。馬なりで5F66秒9〜1F11秒7をマークした。横山武は「先週に速い時計を出しているので、馬がいい意味でピリッとしてきた。今日は疲れを残さないように狙い通りの調教ができたと思います。凄くいい状態に仕上がった」と伝えた。
進化の余地を大きく残しながら、世代トップ級のポテンシャルを示した春。デビュー3連勝で
皐月賞を制し、ダービーも展開不向きの中、勝ち馬
タスティエーラからタイム差なしの2着に迫った。その春からの変化について、横山武は「無駄なところが削れて、欲しかったところに筋肉が付いた気がする」とし、手塚師は「体重は大きく変わっていないけど、体を大きく見せていい雰囲気」とアピール。春以上の走りを見せられる態勢だ。
当然、見据える先には
タスティエーラとの再戦が待つ
菊花賞(10月22日、京都)。3000メートルのラスト1冠に向け、今回は折り合い面との戦いにも打ち勝つ必要がある。手塚師は「返し馬で少しイレ込むので、そこだけ最小限になってくれれば」と課題も口にする。まだ粗削り。それでも、誰もが見ほれるダイヤの原石に、奇麗なカットが入り始めた。
スポニチ