9月20日付で勇退する浅野洋一郎調教師(66)=美浦=が9月18日、中山で管理馬2頭を出走させて、30年の調教師生活にピリオドを打った。
最後のレースとなった中山7R・3歳上1勝クラス(ダート1800メートル=16頭立て)の
オブシディアン(牡3歳、父
ホッコータルマエ)は後方から追い上げ及ばずに11着でフィニッシュ。浅野調教師は「悔しいよね。やっぱり勝ちたいじゃん。そのためにここのレースに持ってきたのだし、悪くても掲示板は欲しかった。勝負の世界だから仕方ないけどね」と、苦笑いを浮かべた。
レース後には
ウィナーズサークルで騎手や調教師など多くの厩舎関係者、そして愛する家族からねぎらわれて、花束を渡されると温かい笑顔を浮かべた。調教師生活を振り返って浅野師は「本当にいい時代に楽しませてもらいました。オーナーには遊ばせてもらって、特に昔のオーナーは好きなようにやらせてくれた。70までやりたかったけど、体のこともあるし、今年の気候は体にきつかった。精神的にも厳しかった。(これからは)平場は面白くないから、障害や
地方競馬でも買おうかな(笑い)。引退した馬たちを見にもいけるしね」と、しみじみとかみしめた。
重賞勝ち馬は1996年に
マーチSを制した
アミサイクロンを管理。デビュー3連勝で
若葉Sを制して1996年の牡馬クラシック3戦を走った
ミナモトマリノスのほか、なかなか初勝利が遠くても後にオープンまで出世した
ゴーストソルジャー、最近では
JRAと地方で通算して100戦も走り抜いた
スワンボートの名前を挙げるなど、馬たちとの思い出は尽きないようだった。
スポーツ報知