「第69回
オールカマー」の
ノースブリッジは半年ぶりながら、いつも通り在厩で調整。みっちり乗り込みを重ねている。追い切りは岩田康を背に美浦Wコースで軽快に動き、昨年
エプソムC、今年のAJC杯に続くタイトル奪取へ、態勢を整えた。
充実の5歳秋を迎えた
ノースブリッジ。
オールカマーの最終追いにも、名コンビ岩田康の姿があった。Wコースで
ホウオウサンデー(5歳1勝クラス)、
ルヴニール(2歳新馬)と3頭併せ。ホウオウを先導役に3馬身離れて
ルヴニール、さらに7馬身後方からノースが追走する形でスタート。岩田康が3〜4角で馬場の内寄りに導き、コーナリングを利して一気に差を詰める。直線最内に入って馬体を併せに行くと、ノースは鋭く反応。馬なりで余力たっぷりに5F65秒5〜1F11秒6で、ホウオウに半馬身先着(
ルヴニールには1馬身先着)した。
岩田康は「先週より息遣いは良くなっている。今までの
ノースブリッジじゃない。落ち着いているし大人になっている」と褒めた。2歳時の
葉牡丹賞で初コンビ。3歳7月の
ラジオNIKKEI賞から10戦連続で騎乗している。昨年6月の
エプソムC(G3)で重賞初制覇、今年1月にはAJC杯(G2)を制し、G1タイトルまでもう少しのところまで来ている。今回も1週前追いに続き、2週連続で美浦に駆けつけて騎乗。いかに
ノースブリッジに期待しているかが分かる。
前走のG1
大阪杯は8着。その後は在厩で調整した。
奥村武師は「猛暑にも全くこたえることなく順調に来ています。ただ、おとなしすぎるのが気になる。スイッチが入っていないのかもしれません」と表情を曇らせた。これまで普段は坂路で調教。レースが近づくとWコースで追い切って、レースモードに切り替えてきた。だが今夏、美浦トレセンは延長工事のため坂路を使用できなかった。その点を不安視しているのだ。
だが49歳のベテランはそんな不安を払拭する。「大丈夫!引っ掛からなくなったのは強み。どんなレースもできるし、中山2200メートルは結果(AJC杯)を出しているから楽しみの方が大きい。次につながる大事な一戦。負けを経験して大きくなる馬もいますし、それに懸けたい」。
タイトルホルダーなど3頭のG1馬が出走する今回。実りの秋を迎えるためにも、ここは結果が求められる一戦となる。
スポニチ