「
神戸新聞杯・G2」(24日、阪神)
4年ぶりに阪神へ舞台が戻った出世レースは、3番人気の
サトノグランツがゴール前で差し切って勝利。豪腕・川田のエスコートで、ダービー11着からの巻き返し、そして
京都新聞杯以来の重賞Vを飾った。2着には10番人気の
サヴォーナ、3着に逃げた2番人気の
ファントムシーフが続き、上位3頭が
菊花賞(10月22日・京都)の優先出走権をゲット。1番人気に支持された
ハーツコンチェルトは5着に敗れた。
進化を示すには十分過ぎる走りだった。中秋を迎える仁川で2分23秒5のコースレコードを刻んだのは、ダービーで11着と涙をのんだ
サトノグランツ。充実の秋へ、この上ない結果で弾みをつけた。
道中は
ハーツコンチェルトと並んで中団に待機。やや促しながらの追走で、直線に向いても手応えに余裕は感じない。それでも、馬群を割りながら川田が右ステッキを連打すると、豪腕の叱咤(しった)に応えるかのごとくエンジンが点火。ゴール前でグンと加速し、一気にラ
イバルをかわし去った。
川田が「よく届いてくれました」と額の汗を拭えば、見守った友道師も「残り100メートルくらいまで“ああ、駄目かな”と思った。最後の2完歩くらいは声が出ました」と笑顔。夏場を充電に充てた効果は絶大で、「返し馬からとてもいい雰囲気で、成長を感じました。一戦ごとに背中が良くなっています。全体時計が速いという得意ではない形でも、勝ち切ってくれたのは成長した分です」と、2歳12月から手綱を任され続ける鞍上も進化を称賛した。
この勝利で父
サトノダイヤモンドとの父子制覇を達成。祖
父ディープインパクトもこのレースを制しており、
神戸新聞杯初の父子3代制覇を果たした。「おっとりしている馬で距離は全然問題ない」と友道師が
ジャッジするように、次に待つ3冠目こそ最も輝ける舞台だ。父はここを足掛かりに
菊花賞、そして
有馬記念までも手中に収め、最優秀3歳牡馬に輝いた。偉大な蹄跡をたどり、悲願のG1制覇、そしてその先へと進む。
提供:デイリースポーツ