先週に引き続き、セプテンバーセールを振り返る。初日の売却率が67.96%と厳しい状況だったので、サマーまでの活況で購買者がそれ以上に馬を買う必要がなくなってきたかと感じた。しかし、2日目の売却総額は7億8720万円(金額はすべて税別、前年比1億8940万円増)、売却率は82.58%(前年比3.63ポイント増)。3日目は6億5940万円(前年比5590万円増)、売却率は76.3%(前年比0.32ポイント増)と活気を取り戻した。3日間トータルでは、売却率は75.56%で、前年を2.22ポイント下回ったが、売却総額は21億300万円と、前年より2億150万円増だった。最高価格は、先週取り上げた
ヒシストーミイ2022(牡、父
スワーヴリチャード)の2500万円。2番目の高額取引馬は、3日目に上場された
ピエノフィオレ2022(牡、
父シニスターミニスター)の2000万円で、北海道馬主会定蛇邦宏氏が落札した。
ピエノフィオレ2022は、
白山大賞典に出走した
メイショウフンジンなどが近親にいる。それまでも人気があった
シニスターミニスター産駒だが、6頭の上場で完売。5頭が1000万円超えと、
ミックファイアなどの活躍からセプテンバーセールでも注目度が高かった。
「どこかで(売上が)下がるのではないか、と思いながらセールを迎えていますが、今回のセールも前年を上回り、ビックリしています。セプテンバー出身の
レーベンスティールがセール前日に
セントライト記念を制しましたが、サマー出身の
ミックファイアの活躍を含め、北海道市場で取引された馬たちが各競馬場で活躍し、掘り出し物を狙って購買に来られた方が多かったのではないかと思います」
と、日高軽種馬農業協同組合の古川雅且組合長はセールを振り返った。サマーとセプテンバーを併せて、1900頭が上場された。この2つの市場は一括に上場申込を行っており、2つの市場の日程はセプテンバーの結果を踏まえて考えるべきだと感じ、古川組合長に質問をした。
「色々と御意見をいただいている中で、暑熱対策を含めてサマーの日程を1週遅らせることや、セプテンバーの時期を早めてサマーとセプテンバーを近い日程にし、2週に渡って行うことなど、検討する上で具体的な案が出ています。サマーの終わった時にもお話しましたが、終了時刻をなるべく早くするには、1日当たりの上場頭数を250頭を上限とすることが目標となります。もちろん、まだ案の段階ですので、これから様々な意見をまとめて日程を考えていきたいと思います」
と、話していた。セプテンバーの時期を早めることで、サマーと同格の市場と見立てることができ、一括申込の意義もある。
北海道市場は、オータムセールが10月16日、17日の2日間で開催される。この市場を残す形で、昨年の北海道市場の売却総額である150億1430万円を、セプテンバー2日目が終了した段階で上回った。
日本テレビ盃に出走するホッカイドウ競馬の
シルトプレは、20年取引馬(540万円で落札)。20年
セントライト記念など重賞2勝の
バビットは、18年取引馬(150万円で落札後、トレーニングセールは500万円で落札)だった。昨年の取引馬からは
ブラックバトラー(
ブリーダーズゴールドジュニアC)、
コモリリーガル(
園田プリンセスC)、
フジユージーン(ビギナーズC)が地方重賞を制し、
エムティイーグルは
ネクストスター金沢で2着に健闘した。掘り出し物がいるオータムセールも、活気ある市場になることが期待される。(競馬ライター)
スポーツ報知