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【凱旋門賞】NF天栄の木実谷場長 スルーセブンシーズが2歳の時から光るものを感じていた

スポニチ
  • 2023年09月28日(木) 05時05分
 ◇凱旋門賞 スルーセブンシーズ7つの海を越えて(3)

 日本競馬悲願の凱旋門賞制覇へ。今年、日本から出走するのはスルーセブンシーズ(牝5)1頭。2歳時から成長を見守ってきたノーザンファーム天栄の木実谷雄太場長(43)に意気込みを聞いた。

 着実に成長してつかんだ夢切符だった。ノーザンファーム天栄の木実谷場長が、スルーセブンシーズを初めて見たのは2歳のとき。「今より20〜30キロ軽くて、まだまだ成長途上という感じ」。だが、木実谷場長はキラリと光るものを感じていた。「当時から走りは素軽かった。楽しみな馬が出てきたなと思いましたね」。

 木実谷場長の期待通り、スルーセブンシーズはデビュー戦を快勝した。だが、当時は「すぐにテンションが上がって、心身が消耗するタイプ」。レースを使った後は思ったような調整が難しく、間隔を空けながらの出走を余儀なくされた。

 転機は昨年8月・日本海S後の休養。ノーザンファーム天栄で長い期間リフレッシュさせたことで、馬体が飛躍的に成長した。「体がふっくらして、しっかりした調教ができるようになった。代謝も良くなって、反動が出なくなりました」。

 復帰後は破竹の勢い。今年の初富士Sを快勝すると、その勢いのまま中山牝馬Sで重賞初勝利。宝塚記念ではイクイノックスに肉薄した。「フットワークの良さやアクションの良さが出てきましたね」と木実谷場長は成長を実感している。

 凱旋門賞を秋の目標に定めてからはノーザンファーム天栄でじっくり調整。「激走したな、という感じはあったので疲れを取ることに専念しました」。7月下旬からは坂路で乗り込み、順調に状態を上げてきた。直行ローテにも「この馬の脚元を考えると、これがベストですね」と不安はない。

 数々の日本馬が大きな壁にぶち当たってきた芝の頂上決戦。木実谷場長は「日本とは同じ距離を走っても走破時計が全く違いますし、これまで日本のトップホースたちが勝てていないわけですから、好走するために別の資質が求められると思います」とレースを分析する。

 「天気や馬場、枠順などは私たちにどうすることもできませんから。私たちはスルーセブンシーズがレース当日をベストコンディションで迎えられるよう、全力を尽くすだけです」。木実谷場長がデビュー前からほれ込んでいた5歳牝馬が、世界をあっと驚かせる。=終わり=

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