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【スプリンターズS】アグリ グングン加速で完成の域!安田隆師有終の美飾る4勝目へ

スポニチ
  • 2023年09月28日(木) 05時28分
 きっちり仕上がった。秋のJRA・G1開幕戦「第57回スプリンターズS」の追い切りが27日、東西トレセンで行われ、セントウルS2着アグリは横山典を背に栗東坂路で躍動感あふれる動きを披露。カレンチャンロードカナロアに続く安田隆厩舎4勝目の期待を背負って大舞台に臨む。

 人馬の呼吸を合わせ、勢い良く駆け上がった。アグリは横山典を背に坂路へ。序盤は我慢の利いた走りで徐々にスピードに乗っていく。ラスト1Fで軽く合図を出すとグングン加速。ゴール手前、手綱を持ったまま4F53秒6〜1F12秒5を刻んだ。前走・セントウルS2着から中2週のローテと栗東から中山への輸送を考慮。攻め過ぎず、緩め過ぎることのない絶妙なサジ加減の最終追い切りだった。感触を確かめた横山典は「休み明けを使った反動もなく、順調に来ていることが何より。それで十分」と言葉少なだが、状態の良さに笑みを浮かべる。見守った安田隆師は「今朝は4F53秒台の予定で、速からず遅くなりすぎることなく、いい調教ができた。ジョッキー(横山典)も落ち着いていると言ってくれたし、いい状態でレースを迎えられそう」と満足げだ。

 以前の先行策とは一転、前走はイメージを一新する後方待機策。前半3F33秒5の平均ペースで流れ、道中11番手からメンバー最速の上がり3F32秒4で追い上げた。当時、落馬負傷で休養中の横山和に替わり、新コンビを組んだ横山典が新味を引き出した。安田隆師は「瞬発力を秘めているのは分かっていて、それをジョッキーが引き出してくれた。あの競馬ができたことは大きい」と好騎乗を称え、収穫を強調した。

 パワーアップした要因について、春の香港遠征を挙げる。強豪がそろうチェアマンズスプリントプライズで5着と奮闘。「あの遠征を経験して馬体、特に精神面が強くなった。それが今の落ち着きにつながっているし、4歳秋を迎えて完成しつつあると思います」と成長をアピールした。

 厩舎は11年カレンチャン、12&13年ロードカナロアスプリンターズS3連覇。勝てば藤沢和雄元調教師を抜いて単独トップの4勝となる。来年2月末で定年を迎えるトレーナーにとって最後のスプリンターズS参戦。短距離王国の先輩の背中を追いかけ、頂点を目指す。

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