「
スプリンターズS・G1」(10月1日、中山)
いよいよ秋のG1シリーズが開幕!中山の電撃戦に、短距離馬王国・安田隆厩舎が期待を持って送り出すのは
アグリだ。前哨戦こそ2着に敗れたが、能力はメンバー屈指。最終リハも納得の動きだった。24年の定年が迫る指揮官に、国内最後のス
プリントG1タイトルをもたらしたい。
ス
プリント王の座は逃さない。
アグリは27日、横山典を背に栗東坂路で
グラティアス(5歳オープン)と併せ馬。4F53秒6-38秒4-12秒5で、中2週を感じさせない軽快なフットワークを披露して併入した。安田隆師は「遅過ぎず速過ぎず、いい動きでしたね。鞍上も“すごく落ち着いている”と言っていました」と胸を張った。
22年8月に1勝クラスを勝つと一気に本格化し、4連勝で23年の
阪急杯を制覇。その後は
高松宮記念7着、香港の
チェアマンズスプリントプライズ5着とG1の壁にはね返されたが、「海外も含めて、厳しい競馬の経験が実になっています」と強豪との戦いが確かな糧となって、進化を遂げた。
その証拠が前走の
セントウルS。これまで先行押し切りがメインだったが、前走は4角12番手から上がり3F最速32秒4の末脚で2着。新たな強さを見せた一戦に、「あの競馬ができたことは大きいです。先行すると詰めが甘かったですが、ああいう競馬ならG1でもチャンスは大きい」と手応えを隠さない。
ロードカナロアや
カレンチャンなど名ス
プリンターを育てた名伯楽も24年2月末で定年。国内のス
プリントG1はこれが最後だ。指揮官は「定年なのでG1をプレゼントしてくださいと
アグリに言いたいです」と笑顔を見せつつ、「輸送も心配ないし、あとはジョッキーにお任せします」と名手に託す。過去最多
スプリンターズS4勝目へ-。名門の仕上げに抜かりはない。
〈調教診断〉前走
セントウルS2着から中2週。横山典を背に馬なりで刻んだタイムは、数字自体は目立つものではないものの、目下の好調維持をアピールするに十分なものだった。折り合い面もスムーズで、一度使われた上積みを感じさせる。新境地を開いた末脚を生かす競馬を武器に、G1初制覇へ態勢は万全と言えそうだ。
提供:デイリースポーツ