「
凱旋門賞・仏G1」(10月1日、パリロンシャン)
今年も日本の悲願へ向けて、
スルーセブンシーズが欧州最高峰の頂に挑戦する。初の栄冠獲得に立ちはだかる有力外国馬を紹介する。
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日本馬の
凱旋門賞制覇を阻む最も高い壁と言えるのが重い馬場。ただ、そのタフさを極めた特殊条件を歓迎している馬もいる。強烈な末脚を武器とするフランスの3歳牡馬
フィードザフレームだ。
23年4月のデビューから渋ったパリロンシャンで連勝。良馬場の
シャンティイで行われた仏ダービーこそ4着に敗れたが、
凱旋門賞と同じコースで行われたパリ大賞では、稍重の馬場を味方に衝撃の勝ちっぷりを披露した。
道中は離れた最後方を追走し、直線入り口でもまだ最後方。そこから馬群を縫って中団まで追い上げると、最後は大外に持ち出され、愛ダービー2着馬
アデレードリバーや英
オークス馬
ソウルシスターを豪快になで斬り。“ここは俺の庭”と言わんばかりの直線一気でG1初タイトルを手にした。ニエル賞は2着とはいえ、良馬場だったことを加味すれば納得の結果だろう。
86年に怒とうの追い込みで勝利した
ダンシングブレーヴが後世に語り継がれるように、
凱旋門賞での追い込み脚質は不利というのが定説。だが、それでも生粋の“道悪巧者”なら-。週末のパリに雨が降った時、新たな伝説が生まれるかもしれない。
提供:デイリースポーツ