秋の
JRA・G1開幕戦「第57回
スプリンターズS」の出走馬が28日に確定。栗東トレセンで行われた木曜追いでは、
CBC賞→
北九州記念を連勝中の
ジャスパークローネが
団野大成(23)を背に坂路を快走した。サ
マースプリントシリーズ王者が秋を迎えて、ますます充実ムード。余勢を駆ってG1初挑戦Vを狙う。同レースは29日に枠順が決まる。
夏の勢いは健在。
ジャスパークローネの充実ぶりは秋を迎えても陰りを見せない。団野を背に開門直後の坂路へ。短距離馬らしい回転の鋭い脚さばきでグングンとスピードを上げていく。急勾配のラスト1Fはさらに勢いを増して、自己2番目に速い4F50秒1、ラスト1Fはこの日最速タイの11秒8をマークした。感触を確かめた団野は「先週は
テンションが高くて抑え気味だったので、今朝はしっかり動かした。追い切り直後の雰囲気を見ても疲れは感じられないし、いい状態でレースを迎えられそう」とうなずく。
今夏の快進撃は戦績が示す通り。2走前の
CBC賞で重賞初制覇を飾ると、前走・
北九州記念も持ち味のスピードをフルに生かして逃げ切り、サ
マースプリントシリーズ王者の座を射止めた。全6勝が逃げ切り。自分の型にはまれば簡単には止まらない。今回は強力な同型がそろうが、団野は「ここ2走は馬のリズムを重視した。ハナに行く競馬で結果が出ているので、ペースよりも呼吸を合わせてこの馬のレースに徹したい」と積極策を示唆。日高助手は「テンのスピードが抜けているし、二の脚も速い。中山1200メートルの舞台は(5走前の)2勝クラス(1着)が強い内容。コース替わりの心配はないと思います」と舞台を歓迎した。
秘めた素質がこの夏、一気に開花した。同助手は「デビュー当時(482キロ)と数字は大きくは変わらないが、筋肉質で米国産らしい短距離体形になった。今年中にはオープンへ上がる馬だと思っていたが、急激に力をつけている」と驚異の成長速度に驚きを隠さない。夏の王者が同年の
スプリンターズSを制すれば、19年
タワーオブロンドン以来2頭目の快挙となる。陣営の想像を超えるほどの進化を続ける
ジャスパークローネ。3連勝でG1タイトルを獲得し、新短距離王へ名乗りを上げる。
《団野97年岡部以来の異なる馬で同年ス
プリントG1春秋制覇だ》デビュー5年目の団野は今年3月の
高松宮記念で
ファストフォースに騎乗してG1初制覇を飾った。
スプリンターズSを
ジャスパークローネで勝てば、異なる馬での同年ス
プリントG1春秋制覇は97年岡部幸雄元騎手(
シンコウキング&
タイキシャトル)以来2人目となる。
スポニチ