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スプリンターズS追い切り(28日・栗東トレセン)
第57回
スプリンターズS(10月1日、中山)の出走馬が28日、確定した。逃げて重賞連勝中の
ジャスパークローネは栗東トレセンで追い切られ抜群の動き。手綱を執る
団野大成騎手(23)=栗東・斉藤崇厩舎=は「こちらが速い」と、前走
セントウルSを逃げ切った
テイエムスパーダに宣戦布告した。
4月に2勝クラスを勝ってから、まだ半年もたたないうちに重賞を2勝し、サ
マースプリント王者を獲得した
ジャスパークローネの勢いが止まらない。大一番を前に出走予定馬で1頭だけ残っていた注目の最終追いは、栗東・坂路で50秒1―11秒8。力を要する馬場だったが、馬なりのまま加速ラップでまとめたのはさすがと言うほかない。「今朝はしっかり動かして、いい動きでした。疲れも感じないですね」と手綱を執った団野は状態の良さに自信を深めた。
勢いは鞍上も同様だ。21年は2勝、22年は1勝だった重賞勝利数も、今年はここまで4勝と
ステップアップ。そのなかには、
ファストフォースと制した
高松宮記念での初G1制覇も含まれる。「G1を勝てたのはもちろんうれしいですが、騎手としてやることは変わらないですから」と団野はあくまでも自然体を貫き、落ち着いたプレーを続けている。
同一年の春秋ス
プリントG1を、異なる馬で制することになれば97年に
高松宮記念(当時は高松宮杯)を
シンコウキング、
スプリンターズSを
タイキシャトルで制した岡部幸雄元騎手以来、26年ぶり、2人目の大記録となる。気になるのが同型の存在。同じ逃げ馬、
テイエムスパーダの出方だ。「向こうも逃げ宣言していますが、普通にゲートを出ればこちらの方が速いですから。ハナを切って結果が出ているので」と自分の
スタイルを崩すつもりはない。実際に前走の
北九州記念では、抜群のダッシュ力で、ラ
イバルよりも先にハナを奪って完勝している。
鞍上は「スタートが速く、二の脚も速いのがストロングポイント。今までと違って強い馬が相手だけど、遜色ないと思う」と好勝負を思い描く。春のパートナー、
ファストフォースの引退、種牡馬入り後に出合った
ジャスパークローネと、G1・2勝目をつかみ取る。(山下 優)
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北九州記念・VTR
ジャスパークローネは18頭立て15番枠から抜群のスタートとダッシュで先手を取った。前半3ハロン32秒9のハイペースも、競り合う場面はなく直線へ。開幕週の絶好馬場で上がり3ハロンを34秒4でまとめ、
ママコチャの追い上げを半馬身差で封じて
CBC賞に続く重賞連勝。サ
マースプリントシリーズ王者に輝いた。
スポーツ報知