「
シリウスS・G3」(30日、阪神)
まさに横綱相撲だった。
帝王賞4着以来だった1番人気
ハギノアレグリアスがトップハンデ58・5キロをものともせず、2つ目の重賞タイトルをつかんだ。
大外枠を味方につけて、砂をかぶることなくスムーズに好位置を確保。リズム良く運んで4角の時点で先行勢を射程に入れると、岩田望の叱咤(しった)に呼応してグングン加速。逃げ粘る
アイコンテーラーをとらえ切り、最後は手綱を緩める余裕さえも見せた。
殊勲の鞍上は「ハンデ戦でよく勝ち切ったと思うし、もっと上を目指してほしい馬です」と涼しい顔。王道競馬での完勝に、「もう一つ上のステージを勝ちたいですね」とさらなる高みを意識した。
名古屋大賞典以来の重賞Vで、管理する四位師はこれがJRA重賞初勝利。「うれしいですね。日隈オーナーは“馬中心で”と言ってくださり、本当にやりやすく助かっています。もっと勝てるように頑張らないと、ですね」と、喜びつつも気を引き締めた。
今後については「この馬に関しては一戦一戦。1週間様子を見てから」と慎重に見極める構えだが、昨年覇者
ジュンライトボルトが次戦でチャンピオンズCを制したように、砂王の座も視野に入ってくる。素質を見込まれながらも3歳秋に屈腱炎を発症し、1年8カ月もの休養を余儀なくされたが、不屈の精神でカム
バック。幾多の困難を乗り越えた6歳馬が、待ち焦がれたG1の舞台で大輪の花を咲かせるか。
提供:デイリースポーツ