秋のG1シリーズ開幕を告げる「第57回
スプリンターズS」が1日、中山競馬場で行われ、“白毛一族”
ママコチャ(牝4=池江)が押し切ってG1初挑戦初制覇を飾った。管理する
池江泰寿師(54)は、昨年の
ジャンダルムに続き連覇。鞍上の
川田将雅(37)は、18年
ファインニードル以来5年ぶり2度目の戴冠となった。
白毛一族。だけど白くない。鹿毛馬
ママコチャが、姉
ソダシも走ったことのない電撃6F戦で輝いた。G1初挑戦初勝利という華々しい大舞台デビューを飾った愛馬に池江師は「姉のイメージと重なる部分はありましたね。
ソダシの妹としても人気がありましたが、やっとファンの皆さんに恩返しできました」と頬を緩めた。
ジャスパークローネが二の脚を生かしてハナを奪取。2番手は内から押して出て行った
テイエムスパーダ。好スタートを切った
ママコチャは、その2頭を見ることができる好位集団を追走した。最初の3Fは33秒3。最終週で時計のかかる馬場であることを考えれば速いペースだ。それでも川田は強気の騎乗。4角2番手まで追い上げると、直線半ばで逃げ粘る
ジャスパークローネを捉える。ゴール前、内から
マッドクールが追い上げてきたが、この一族特有の粘り腰で鼻差しのいだ。
テン乗りで好エスコートの川田は「レースを見ていていい馬だと思っていたし追い切りに乗って、これならチャンスがあると思える背中をしていました」と素質を評価。続けて「枠の並びが良かったし、この馬にはある程度いい形で進んで行きました。最後は際どくなりましたが、なんとか粘ってくれと思っていました」とレースを振り返った。
ここまでマイルを中心に出走。前走の
北九州記念(2着)で初めてス
プリント戦を使ったが「(マイルG13勝の)姉のこともあって距離適性をなかなかつかめていませんでした。もう少し早くこの距離を使っていたら、もっと早く重賞を制覇できていたかな」と池江師は苦笑い。それでも「しっかり我慢させることを教え込んだことが、この結果につながったかな」とプラスに捉えた。
次走は未定。池江師は「スピードがあって持続力もある頭のいい子。1400メートルでも強烈な勝ち方をしているし、選択肢は狭めたくないので慎重に考えます」と今後を見据える。川田が「レースを覚えさせたらもっといい競馬ができます」と話す、伸びしろ十分の4歳牝馬。色ではなく実力で、ス
プリント界のアイドル街道を歩む。
ママコチャ 父クロフネ 母ブチコ(母の
父キングカメハメハ)19年4月5日生まれ 牝4歳 栗東・池江厩舎所属 馬主・金子真人ホールディングス 生産者・北海道安平町のノーザン
ファーム 戦績13戦6勝(重賞初勝利) 総獲得賞金2億8444万9000円 馬名の由来はインカ神話の海の女神
スポニチ