「
凱旋門賞・仏G1」(1日、パリロンシャン)
1969年の
スピードシンボリ(着外)以来、延べ34頭目の挑戦。数々の名馬たちが挑み、そして高い壁にはね返された世界最高峰の一戦に今年、単騎乗り込んだ
スルーセブンシーズは4着と大善戦した。勝ったのは地元の
エースインパクト。13年
トレヴ以来、10年ぶりの無敗戴冠となった。2着は
ウエストオーバー、3着は
オネストだった。
JRAの馬券では5番人気。日本からただ1頭、挑んだ
スルーセブンシーズがアッと言わせるパフォーマンスを見せた。道中は後方で構え、折り合い良く運んで直線へ。力強く伸びて先団に迫るも届かなかったが、見せ場十分の走りだった。
並み居る猛者がそろい、決して例年よりレベル的に恵まれたわけではない。それでも、同馬の生産牧場であるノーザン
ファームを筆頭に、競走馬生活の晩年に世界を転戦した
グローリーヴェイズを管理した尾関師の経験と執念を欧州最高の一戦につぎ込んだ。
2走前の中山牝馬Sで重賞初制覇を果たすと、前走の
宝塚記念で
イクイノックスの首差2着と、今年に入って急激に頭角を現した。“馬体が大き過ぎない牝馬”というパリロンシャンの芝におけるおあつらえ向きの条件に加え、今年は比較的軽いBON SOUPLE(稍重馬場)。さらに精神的成長、長く使える末脚が好走を引き寄せた。
惜しい結果となったが、「七つの海を越えて」と、世界中での活躍を期待されてその名を背負った小柄な5歳牝馬の大きな挑戦は、ファンの記憶に深く刻み込まれたに違いない。
◆尾関師「もう少しいいポジションで競馬できるかと思ったんですが、想定より後ろになった。ヨーロッパのペースで少し力んだところがあった。直線は本当にどこまで前をとらえてくれるんだろうというくらい伸びてくれた。素晴らしいポテンシャルを持った牝馬だと思います」
提供:デイリースポーツ