ソングラインは今年の
ヴィクトリアマイル、
安田記念と中2週の東京マイルGIを連勝。しかも
安田記念は連覇のおまけつきという離れ業をやってのけた。マイル戦線では、もはや国内に敵はいない。今秋は11月4日の米G1・
BCマイル(サンタ
アニタパーク競馬場・芝1600メートル)に照準を定め、8日のGII
毎日王冠(東京芝1800メートル)で始動する。
昨年は体調が整わずに泣く泣く遠征をとりやめただけに、陣営は今年こその思いが強い。そこで気になるのは、前哨戦に
セントウルSを選択した昨年とローテーションが違う点だ。
林調教師は「第1に左回りを優先しました。
セントウルSは今年、阪神開催だったので選択肢から外しました。第2に昨年はサウジの1351ターフス
プリント(芝1351メートル)を勝ちましたが、今年は(短めの距離で)結果が出ていません。一方で東京マイルを連勝しており、馬が長い距離の方が向くように変わってきていると判断しました」と話す。
左回りのマイルに一番の適性があるのは分かり切っているが、3歳時には中京芝1400メートルのリステッド・
紅梅Sを快勝。4歳時には前出の1351ターフス
プリントを勝っており、どちらかといえば短距離に向いていた。
だが、5歳を迎えて馬が充実期を迎え「背腰に強さが出て、メンタルもどっしりと心身ともに大人になってきました」と林師。そのため、これまでのキャリアで最長となる芝1800メートルの
毎日王冠という選択になった。
安田記念こそ大外枠のため後方からの競馬になったが、今年はスタートが安定して、
ヴィクトリアマイルでは以前より前めで運べるようになった。心身の成長である程度レース運びに融通が利くようになった今なら、1ハロンの距離延長は問題ないはず。
毎日王冠を選んだのは成長の証し。“本番”にも大きな期待を持って、楽しみに見守りたい。
(美浦の距離克服確信野郎・垰野忠彦)
東京スポーツ