20年に史上初めて無敗で牝馬3冠を制した
デアリングタクト(牝6=杉山晴)の引退、繁殖入りが6日、ノルマンディーサラブレッドレーシングから発表された。今後は岡田スタツド(北海道新ひだか町)で繁殖入りする。同年に無敗牡馬3冠を達成した
コントレイルとともに時代を彩り、産駒に次の夢を託すことになった。
コ
ロナ禍に光を差し込んだ20年の3冠牝馬は昨秋の
ジャパンC4着後、左前脚の歩様が乱れて2月のサウジアラビア遠征を見送った。その後は牧場で調整されたが、右前脚の体部繋靱帯(けいじんたい)炎を再発。引退が決まった。
杉山晴師は「復帰に向けて、牧場で乗ってもらっていましたけど、昨日、以前痛めた繋靱帯炎を再発してしまったと連絡を受けました」と説明。「いずれこういう日が来ると分かっていましたが、いざ引退が決まると胸が詰まる思い」とし「感謝だけではこの馬にもらったものは言い表せません。もらったものをしっかり生かして、結果を出して恩返しできるように頑張っていきたいです。まずはお疲れさま…ですが、繁殖牝馬としてまたいい子を産んでほしいです」と言葉を絞り出した。
19年11月にデビューし、20年に
エルフィンSで2勝目を挙げると、
桜花賞、
オークス、
秋華賞のローテで快進撃を続け、史上初めて無敗での牝馬3冠制覇を達成した。その後は
ジャパンCで
アーモンドアイ、
コントレイルとの夢の対決に挑み3着。古馬となってからは脚部不安もあって勝利を挙げられず、昨年の
ジャパンC4着がラストランとなった。
◆
デアリングタクト 父
エピファネイア 母デアリングバード(母の
父キングカメハメハ)牝6歳 栗東・
杉山晴紀厩舎所属 馬主・ノルマンディーサラブレッドレーシング 生産者・北海道日高町の長谷川牧場 戦績13戦5勝 総獲得賞金6億4413万2400円 主な勝ち鞍は20年
桜花賞、
オークス、
秋華賞
スポニチ