20年に史上初めて無敗で牝馬3冠に輝いた
デアリングタクト(牝6歳、栗東・杉山晴)が、体部繋靱帯炎の再発で現役を引退し、繁殖入りすることが分かった。所属するノルマンディーオーナーズクラブが6日、ホームページで発表した。
今年2月、左前脚の歩様が乱れたため、予定していたサウジアラビアのネオムターフC参戦をパス。その後は牧場で復帰を目指して調整していたものの、今月5日の調教後にハ行が見られ、右前肢に熱感があったため、エックス線と
エコー検査を行って発覚。関係者で協議した結果、引退することが決まった。今後は北海道新ひだか町の岡田スタッドで繁殖入りする。
同馬は19年11月に京都でデビュー。翌年に無傷で史上6頭目の牝馬3冠に輝くと、同年の
ジャパンCでは
アーモンドアイ、
コントレイルとの3冠馬対決で3着に入った。21年香港クイーンエリザベス2世C3着後に繋靱帯炎を発症し、約1年1カ月休養。昨年の
ジャパンC4着がラストランとなった。
▽主戦を務めた松山
「長い間、本当にお疲れさまでした。僕にとって、
デアリングタクトは一番思い入れの深い馬。たくさんのことを、その背中から学ばせてもらいました。無事に繁殖入りできたことは良かったですし、いつか子どもに乗る機会があればいいなと思っています」
▽管理した杉山晴師
「いずれこういう日が来るとは思っていましたが、いざ引退が決まると、胸が詰まる思いです。今の厩舎をつくってくれているのもこの馬のおかげと言っても過言ではありません。まずはお疲れさまですが、繁殖牝馬として、いい子を産んでほしいですね」
提供:デイリースポーツ