8日、秋の東京開幕を告げる伝統のG2「第74回
毎日王冠」が行われ、
西村淳也(24)騎乗の3歳馬
エルトンバローズが4番手から抜け出して、
ソングライン、
シュネルマイスターのG1馬2頭を抑える殊勲V。前走・
ラジオNIKKEI賞に続いて重賞連勝となった。
残り200メートルで先頭に立った
エルトンバローズを目がけ、2頭のG1馬が猛然と追い込んできた。馬群を割って抜け出した
ソングライン、大外一気に伸びた
シュネルマイスター。西村淳が「外の方が優勢だと思って、神様にお祈りしてました」と振り返ったほどの大接戦。祈りは届いた。引き揚げてきた鞍上は天を仰いで右拳を握りしめた。
デビュー4戦して2着3回。なかなか勝ち上がれないエルトンの鞍上に、デビュー6年目の西村淳を迎えたのは4月の未勝利戦。そこから4連勝で一気にスターダムを駆け上がった。「一戦一戦力をつけています。凄いメンバーを相手に戦って経験値も上がる。どんな競馬もできるし、仕掛ければギューンと伸びる。楽しみな一頭に出合えました。この先も大きな舞台で勝ってくれると思います」と絶賛した。
杉山晴師は「出来は文句なかったのですが距離や左回りが…」と半信半疑だったという。「この馬のことはジョッキーが一番分かっている。彼のここ1、2年の競馬に対する姿勢は目を見張らされる。これから厩舎も騎手も成長していければ」と鞍上を称え、共に高みを目指す構え。同厩舎は先日、牝馬3冠
デアリングタクトが引退を発表したばかり。指揮官も「
デアリングのためにも、また強い馬づくりをして頑張っていきたい」と気を引き締めていた。
次走は明言しなかったが、この勝利で選択肢が広がった。3歳
エルトンバローズ&24歳西村淳コンビから目が離せそうもない。(鈴木 智憲)
スポニチ