◆第74回
毎日王冠・G2(10月8日、東京競馬場・芝1800メートル)
第74回
毎日王冠・G2は8日、東京競馬場の芝1800メートルで行われ、4番人気の
エルトンバローズがゴール前の大接戦を制して見事に4連勝で重賞2勝目を挙げた。優先出走権を獲得した
天皇賞・秋(29日、東京)を含め今後のローテは未定だが、勢いに乗る上がり馬がG1級の実力を見せた。
祈りは通じた。好位で運んだ
エルトンバローズは直線半ば、力強い伸び脚で先頭へ。最後は外から
ソングライン、
シュネルマイスターが迫り、すぐには勝利を確信できなかった。西村淳は「外の馬が優勢かなと思って、神様にお祈りしていました。本当にうれしい」とG1馬2頭を鼻、鼻差で破り、喜びを爆発させた。
前走の
ラジオNIKKEI賞から3か月の休養を挟み、心身ともに想像以上の成長ぶりだった。杉山晴調教師は「正直、半信半疑で、出来は文句なかったが、距離と左回りがどうかなと馬を信じきれないところがあって、申し訳なかったというくらい強い競馬でした」と脱帽し、フロックではないことを証明した。
近年では19年から
ダノンキングリー、
サリオス、
シュネルマイスターと3年連続で3歳馬が勝ったが、春までに実績を残していた3頭だ。4月の未勝利Vから
ノンストップでつかんだ白星はまさに値千金。コンビで4戦無敗の西村淳は「まだ3歳で、伸びしろしかない」と心躍らせる。大舞台への期待は現実となりそうだ。(坂本 達洋)
◆
エルトンバローズ 父
ディープブリランテ、
母ショウナンカラット(
父ブライアンズタイム)。栗東・
杉山晴紀厩舎所属の牡3歳。北海道浦河町・桑田牧場の生産。通算8戦4勝。総獲得賞金は1億2882万1000円。主な勝ち鞍は23年
ラジオNIKKEI賞・G3。馬主は猪熊広次氏。
スポーツ報知