ひと回り大きくなった2冠牝馬がターフへ戻ってくる。牝馬3冠最終戦「第28回
秋華賞」(15日、京都)の追い切りが11日、東西トレセンで行われた。秋初戦を迎える
リバティアイランドは栗東CWコースで豪快リハ。2週連続で併走相手を豪快に抜き去った。史上7頭目の牝馬3冠へ態勢は万全。同レースは12日に出走馬が確定、13日に枠順が決まる。
凄い。シンプルな言葉で十分。
リバティアイランドが翼を広げた。先週と同じく川田を背に、開門直後のCWコースへ。リードホースを務めたのは
メイショウクーガー(3歳1勝クラス)。多くの視線が注がれる。歩を進めるにつれ、僚馬との大きな差が徐々に詰まる。スケールを増した馬体が躍動する。直線に入って1馬身差。息をのんで見つめる。その瞬間、相手を瞬時にパス。3馬身差をつけてフィニッシュした。馬なりで6F(1200メートル)82秒1〜1F11秒7をマーク。中内田師が切り出す。
「先週しっかりやっているので、オーバー(ワーク)にならないように。時計的には十分かなと思います。前日の雨で少し時計がかかるような重い馬場になっていましたけど、動きは良かったですね。しまいも無理をしていません。休み明けですけど、いい状態で走れると言い切れる仕上がりです」
オークスで2冠を達成。その後は夏休みを取った。馬体が大きく成長。放牧先のノーザン
ファームしがらきで馬体重は520キロ台になった。
オークスが466キロでの出走。かなり増えている。「帰厩して500キロ以上はありましたけど、今は490キロ前後。成長分とみていいと思います。走りが安定してきています。体、動きともに一つ良くなっていますね」と
パワーアップを感じ取った。1週前追い切りが同じCWコースでラスト2F10秒9→11秒0の超抜伸び。度肝を抜くデモンストレーションに、明るい未来を乗せた。
クリアに出来を示せる一方、舞台に関しては少しト
リッキーだ。京都の内回り2000メートルは時に紛れが生じる。18年に牝馬3冠を飾った
アーモンドアイは結果的に強かったが、4角で12番手。小回りとあって“届くのか”の思いが去来した。前残りがよぎる条件でもある。「コース形態が特殊ですし、内回りで位置取りが左右されるかなと思います。人気を背負っている馬なので、他の馬がどういう競馬をしてくるか気を付けておかないと」と気を引き締めた。
オークスは2着に6馬身差をつける圧勝だった。84年の
グレード制導入以降、
オークス最大着差の衝撃を与えた。夢は紡がれる。ひと夏を越えて手に入れた充実の馬体。最高の出来。王手をかけた3冠バトンが、京都で力強く結実する。
《11頭中6頭が3冠馬に》
桜花賞&
オークス2冠馬は過去に11頭が出走し、うち6頭が3冠牝馬に輝いている。18年
アーモンドアイ、20年
デアリングタクトは
リバティアイランドと同じく
オークスから直行ローテで偉業を成し遂げた。また、今年から褒賞金が新たに設定され、牝馬3冠制覇を達成した内国産馬には1着賞金1億1000万円に加え、ボーナス1億円が交付される。
スポニチ