先々週から東京、京都開催がスタート。開幕週は3日間開催だったが、その期間に行われた東京での新馬戦が7レース。うち3レースで栗東所属馬が勝っており、勝率にすると18.8%。美浦所属馬が4.9%だから、圧倒的な成績の差があるといってよい。
決して人気馬ばかりが勝っているわけではなく、東京ダート1300mを勝った
エンパス(栗東・
西園正都厩舎)は単勝7番人気。単勝回収率にすると138%もあるわけで、馬券的妙味もたっぷり。10月14日の東京芝1400mでは1番人気と5番人気の決着で馬連が14.3倍ついているし、今週以降も栗東所属馬の攻勢は続くのではないだろうか。
【10月21日(土) 京都芝1400m(牝)】
◆
サロニコス(牝、父
ロードカナロア、
母サロニカ、栗東・
松下武士厩舎)
おばに2020年
府中牝馬Sを勝ち、
有馬記念2着の
サラキア(
父ディープインパクト)や、おじに2019年
朝日杯FSでGIを制した
サリオス(
父ハーツクライ)がいる血統。
本馬は8月9日にノーザン
ファームしがらきから栗東へ入厩。ゲート試験合格後は牧場へ戻って調整して、9月28日に栗東へ再入厩。
西村淳也騎手が跨った、10月13日のCWでの新馬との併せ馬では6F82.6秒をマークして先着。最後の直線では11.8秒から11.5秒へ加速する伸びを見せており、さすがは良血といった動き。
【10月21日(土) 京都芝1600m】
◆
ベリーク(牡、父
シュヴァルグラン、
母エルビッシュ、栗東・
西村真幸厩舎)
おじに芝で3勝を挙げた
アントリューズ(父
ロードカナロア)がいる血統で、父
シュヴァルグランは新種牡馬。小倉芝1200mの未勝利戦で
アートフォーム(栗東・
畑端省吾厩舎)が産駒
JRA初勝利を挙げている。
本馬は7月20日に栗東でゲート試験に合格。その後はノーザン
ファームしがらきで調整を進め、9月20日に栗東へ再入厩。CWと坂路を併用しながら追い切りを積み重ねている。10月12日のCW追い切りにはレースでも騎乗予定の藤岡康太騎手が跨って併せ馬。古馬1勝クラスを追走して、なんとか追いつくという内容だった。6F85.0秒と全体時計は地味だが、調教量は豊富にこなしているだけに、最終追いでどのくらい動くか注目といったところ。
【10月21日(土) 東京芝2000m】
◆
ピリー(牝、
父スクリーンヒーロー、
母ミルクトーレル、栗東・
西園正都厩舎)
母系にはダートで4勝を挙げた
ピュアジャッジ(父
ホッコータルマエ)がいる血統で、本馬は2022年北海道セプテンバーセールにて、440万円(税抜)で落札されている。
父スクリーンヒーローは先日、種牡馬を引退することが発表されている。
9月28日にゲート試験を合格すると、そのまま在厩で調整。最初の追い切りとなる、10月5日のCWでは2歳未勝利相手に6F81.4秒をマーク。能力の高さを感じさせる動きを見せ、10月12日のCWは新馬と併せて、6F83.4秒と全体時計こそ前の週よりも遅くなったが、動きには余裕があり、追い切りを重ねて、確実に動きが良くなっている印象を受けた。
【10月22日(日) 東京芝1800m】
◆
ファイツオン(牡、父
アルアイン、
母ソラコマチ、栗東・
藤岡健一厩舎)
半兄にダート短距離で5勝を挙げた
ジェネティクス(
父サウスヴィグラス)。父
アルアインは新種牡馬で、すでに阪神芝2000mの新馬戦を勝った
カズゴルティス(栗東・
杉山晴紀厩舎)などがいる。本馬は北海道セレクションセール1歳にて、2600万円(税抜)で落札されている。
9月21日にゲート試験を合格すると、そのまま栗東に在厩で調整。10月5日の坂路では4F53.1秒、2F24.8秒をマークし、すでにスピードある動きを見せている。「もう少し乗り込んでもという調教量ではありますが、現状でも十分動けています」と
藤岡健一調教師。なお、鞍上は
藤岡佑介騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)