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【菊花賞】コントレイル3冠を間近で見届けた玉木記者、穴馬にリビアングラスを指名

スポーツ報知
  • 2023年10月16日(月) 07時00分
◆第84回菊花賞・G1(10月22日、京都競馬場・芝3000メートル)

 第84回菊花賞・G1は22日、京都競馬場の芝3000メートルで争われる。当地の改修に伴い、近2年は阪神開催だったが、3年前の淀では史上3頭目の無敗3冠馬が誕生した。玉木宏征記者にとっては親しい担当助手が重圧を乗り越えた“人のドラマ”でもあった。今年は23年ぶりに実現する皐月賞馬(ソールオリエンス)と日本ダービー馬(タスティエーラ)の対決が注目されるが、人のつながりで発掘した穴馬にひかれている。

 20年、コントレイル菊花賞を勝ち、7戦7勝で3冠を達成した。担当の金羅助手とは、20代後半からの付き合い。私が東日本の専門紙で記者をしていた時の札幌出張で、年齢も近かったことから意気投合し、11年に滋賀で行われた彼の結婚式にも東京から駆けつけた。「神戸新聞杯を勝って、負けてなかったからプレッシャーとの闘いだった」と振り返る親友を毎週、間近で見てきたこともあり、自分のことのように喜び祝福した。

 例えばリバティアイランドは調教パートナーが片山助手、世話役が松崎助手と分かれているが、コントレイルはほとんど金羅助手が調教して世話もした。菊花賞までの最終追い切りはすべて彼が手綱を執り、なおさらプレッシャーがあった。「コントレイルが栗東に在厩していると、気疲れで自然に(自分が)痩せた」とこぼすこともあったが、単勝1・4倍だったダービーも乗り越え、自信もつけていた。

 レースは適性外の3000メートルで、アリストテレス(2着)に騎乗するルメールにプレッシャーをかけられる展開。金羅助手は「2周目の向こう正面で折り合いを欠いたのがバスの中から見えていたし、ゴールするまで声も出なかった」と激戦を振り返る。首差での戴冠(たいかん)も、コロナ禍で沈む日本に神様が与えてくれたドラマかも…とさえ思った。

 3年ぶりに京都で開催される菊花賞は、リビアングラスに注目している。くしくもコントレイルと同厩舎、同じノースヒルズ軍団だ。7月中旬にコントレイルが育った鳥取・大山ヒルズを取材する機会があり、下調べを…と思っていたところ、同い年の古賀助手=栗東・牧浦厩舎=が紹介してくれたのが、1年前まで同牧場で働いていた同僚の鎌田助手だった。リビアングラスを1歳の馴致(じゅんち)の頃に担当しており「背中と、操縦性も良く、走り方がとても良かった」と、3か月先の菊花賞を楽しみにしていた。

 同馬は京都新聞杯(3着)以来だった8月の阿賀野川特別(2勝クラス)を、持久力あふれる内容で完勝。3冠最後の舞台に間に合った。12日の1週前追い切り後、担当の甲斐助手を訪ねると「いい心臓をしているし、乗りやすすぎるぐらい」と菊花賞向きであることを確認できた。ご縁がご縁を呼び、穴馬を発掘。この流れには逆らえそうにない。(玉木 宏征)

スポーツ報知

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