◆第84回
菊花賞・G1(10月22日、京都・芝3000メートル)
皐月賞馬と
日本ダービー馬が23年ぶりに対決する3冠最終戦、第84回
菊花賞・G1は22日、京都競馬場で行われる。首差で2冠を逃した
ソールオリエンスの
手塚貴久調教師=美浦=も雪辱に燃えている。
勝負は時の運に左右されても、秘める能力への確信は揺るぎない。デビュー3連勝で
皐月賞馬に輝いた
ソールオリエンスは、
日本ダービー、
セントライト記念で連続2着と悔しさを味わった。しかし、レース内容は決して力負けではない。手塚調教師は「どんな馬でも全部が勝てるわけではないし、次の本番で勝てればと思っています。今のところ不安はない」と雪辱に燃える。
1番人気の宿命か、
日本ダービーは厳しいマークもあって
タスティエーラに首差2着と及ばなかった。始動戦だった前走は、14番枠から安全策で外、外を回っても勝てると踏んだが、3、4角で外に振られる不利が響いて惜敗。それでも指揮官は「スローペースでも折り合いはついているし、進んでいかないくらい。距離はもつのかなと思う」と、違った一面で収穫をつかめた。
もともと距離適性に関して手塚師は、体形から2000メートルぐらいが合っていると評価していた。しかし今では「体形以上にこなせるのかな」とイメージを超えてきている様子だ。一方でデビュー当初から素質を感じていた「長く速い脚が使える」ことについては、「いいところは今も変わらないです。(この中間の)雰囲気はとてもいいし、精神状態もやるごとに高ぶり過ぎない」と、ここぞの自慢の切れ味は健在だ。
厩舎として
菊花賞では、18年の
フィエールマン以来、2度目の栄冠がかかる。
ラジオNIKKEI賞(2着)からぶっつけで鼻差Vをつかみ取った“先輩”とはタイプは違うというが、素質からくる“手応え”は近いものがある。「持っているポテンシャルは同じくらいの評価ができるし、この馬は現に
皐月賞を勝っているわけじゃないですか。またG1を勝てる気にさせてくれる」。激闘の記憶が色あせない淀のターフで、才能あふれる
ソールオリエンスも想像以上の走りを見せてくれそうだ。(坂本 達洋)
◆
皐月賞馬と
日本ダービー馬の激突
菊花賞に
皐月賞馬とダービー馬がともに参戦した例は過去に16回。
皐月賞馬が5勝(2着2回、3着2回)、ダービー馬は1勝(2着2回、3着1回)にとどまる。ワンツーは2度あり、1973年にダービー馬
タケホープ→
皐月賞馬
ハイセイコー、98年が
皐月賞馬
セイウンスカイ→ダービー馬
スペシャルウィークだった。今年そろい踏みが実現すれば、2000年(
皐月賞馬
エアシャカール1着、ダービー馬
アグネスフライト5着)以来の23年ぶりとなる。
スポーツ報知