先週の
秋華賞では
リバティアイランドが牝馬3冠を達成。京都競馬場では3冠達成記念カードが配られました。一方、3冠を阻み“ヒール”となった馬もいます。
92年
菊花賞で
ミホノブルボンの3冠を阻止したのが
ライスシャワー。
シンボリルドルフ以来8年ぶり、史上2頭目の「無敗の3冠馬」誕生に多くの人が熱視線を注ぎ、当日はセレモニーの用意もされていたそうです。
的場均元騎手(現調教師)は「準備をしていた人たちに嫌みを言われたよ(笑い)」と当時を振り返っていました。
ライスシャワーは
スプリングS(4着)→
皐月賞(8着)→
日本ダービー(2着)→
京都新聞杯(2着)と直接対決ではすべて敗戦。それでも、的場騎手は
菊花賞での“逆転”を信じていました。
「
京都新聞杯(2着)が終わった時に、
菊花賞はチャンスだって厩務員に言ったんだ」
ミホノブルボンに逃げ切られた前哨戦が、的場には逆転Vへの布石に見えていました。「(
京都新聞杯では)逃げると見られていた
キョウエイボーガンが出遅れて、
ミホノブルボンがハナへ行った。
ミホノブルボンは朝日杯3歳Sの時にかかっていたし、長い距離を走る血統ではなかった。対して、こっちはかからない。小さいけど血統的にも距離は持つし、おとなしくて頭がいい。
ミホノブルボンがかかってくれれば、差せる確率は高いだろうと思った」
さらに運も引き寄せました。「レース前に『枠はどこがいい? 』と家族に聞かれて、そうだな、真ん中より内、それも
ミホノブルボンの隣がいいなって答えたんだ」
4枠7番
ミホノブルボン、4枠8番
ライスシャワー。「枠順を見て“やった〜”と思ったよ。これなら、自分が走る道は
ミホノブルボンがつくってくれる」
レースは的場騎手のもくろみ通りに進みます。押して
キョウエイボーガンが逃げ、2番手に
ミホノブルボン、3番手
メイショウセントロで4番手に
マチカネタンホイザ。その後ろの5番手に
ライスシャワーがいました。
「坂が2回あっても、
ライスシャワーは俺が“行け”って言うまで行かなかった。レースを見返すと、ニヤニヤしながらターフビジョンを見てる俺が映っているはずだよ。それくらい余裕があったんだ」。確信を持って挑んだ一戦でした。
今年の
菊花賞では
ライスシャワーを管理していた飯塚元調教師を伯父に持つ手塚調教師が
ソールオリエンスを送り出します。
日本ダービー2着→
セントライト記念2着の戦績は、くしくも
ライスシャワーと同じ。その話を振ると「(
ライスシャワーの)新馬戦は1000メートルだったんだ。強い馬には関係ないんだよ」と手塚師。
菊花賞(22日=京都芝外3000メートル)は各馬にとって未知の距離になります。
皐月賞を制した
ソールオリエンスが再び強さを見せるのか、注目が集まります。
(美浦の3冠
バルーン女子・三嶋まりえ)
東京スポーツ