「
埼玉新聞栄冠賞・S3」(18日、浦和)
ルーキー、お見事!好位を進んだ4番人気の
ジョエルが、逃げ粘る
ランリョウオーをゴール前でかわしてV。21年
黒潮盃以来の重賞3勝目を上げた。今年4月デビューの
所蛍騎手にとって、うれしい重賞初制覇となった。なお、1着馬には「
浦和記念・Jpn2」(11月23日・浦和)への優先出走権が与えられた。2着には1番人気の
ランリョウオー、3着には10番人気の
ユアヒストリーが突っ込んだ。
コンビで2戦2勝。絶対の信頼感を持つ
ジョエルと4戦ぶりの手綱となる
所蛍が大仕事をやってのけた。師匠からは乗り方を一任されていたが、「リズム良く走らせることが作戦でした。うまくいきましたね」。先頭でゴールした瞬間は、右手の小さな
ガッツポーズで喜びを表現した。
理想通りの好位3、4番手から直線。軽快に逃げる1番人気馬にこん身の力で迫ると、最後の最後に首差かわした。「一生懸命追ったらかわしてくれました。馬に感謝です。シンプルにうれしい」と笑顔がはじけた。
4月デビューで、1日で18歳になったばかり。6月からは3カ月間、高知競馬へ武者修行も経験。19年
東京ダービー馬
ヒカリオーソの手綱も取り、
高知優駿にも騎乗。南関東での重賞騎乗は2回目だったが、その貴重な経験を早くも最高の形で花開かせた。「(騎乗の)機会を与えてくれた関係者の皆さんに感謝したいです」とファンの声援に応えた。
師匠の
張田京師は「涼しくなって馬の状態は良かった。いいタイミングだった。ホタルを乗せるのは迷ったけど、若い子にもチャンスを与えないとね」と親心。「コーナー、コーナーで膨れてたけど、馬が賢くてちゃんと回ってきたね」とニヤリ。次走は未定だが、その期待に応えた弟子との師弟関係が、より強固なモノになったことは確かだ。
提供:デイリースポーツ