今年の3歳牡馬クラシック最終戦「第84回
菊花賞」では23年ぶり、21世紀では初となる
皐月賞馬とダービー馬の直接対決が実現。
皐月賞馬
ソールオリエンスは、主戦・横山武を背に美浦Wコースで迫力十分の動きを披露。ダービー2着惜敗の雪辱を誓った。
府中の借りは京都で返す!ダービーで
タスティエーラに首差2着と惜敗した
皐月賞馬
ソールオリエンス。陣営は、
菊花賞での雪辱“2冠獲り”に燃えている。「リベンジできればいいと思っています」。最終追いの背には横山武。誰よりもその悔しさを味わった男の姿があった。
Wコースで
アナンシエーション(5歳3勝クラス)を相手に併せ馬。8馬身ほど後方からゆったりとスタート。4角を回ってもその差はまだ3馬身。追いつけるのか。そう思われた次の瞬間、鹿毛の馬体が内から弾丸のように突き抜ける。6Fからラスト1Fまで加速ラップを刻み続け、ゴール板では半馬身前に出た。「
テンションを上げすぎず、最後だけ軽く併せるという指示。いい調教でした」。手綱から伝わった好感触に、横山武は満足げにほほ笑んだ。
秋始動戦に選んだ
セントライト記念は2着。終始、外を回らされる競馬で敗れはしたものの、収穫のあった一戦だった。横山武は「
菊花賞に向かうと聞いていたので、それを見据えた競馬をした。勝てなかったけどいい
ステップになった」と回顧。さらに「緩かった後ろ脚がしっかりしてきた。まだ完成途上だけど春より良くなっている」と成長も感じ取った。手塚師は前走について「枠が外(8枠14番)だったことでオーナー、ジョッキーと相談して不利を受けないよう、ああいった(外を回る)競馬になった」と意図した安全策だったことを強調。「春は後肢が弱くてコーナーで外に膨れていたけど、夏を越してそういうところが見られなくなった」と見解は一致。ラスト1冠へ向けて満足のいく予行演習だった。
デビューから5戦3勝、2着2回で連対率は100%。安定感ではダービー馬
タスティエーラを上回っている。3冠馬を除く
皐月賞&
菊花賞の2冠達成となれば、12年の
ゴールドシップ以来11年ぶり。ここまでの5戦は全て関東圏での競馬。関西初参戦で初の長距離輸送が懸念されるが、指揮官は「過去にいろんなG1馬を手がけてきて、能力のある子はクリアしてくれている。あまり心配しないようにしている」ときっぱり。手塚厩舎は
フィエールマンで京都の長距離G1・3勝(18年
菊花賞、19&20年
天皇賞・春)。輸送も含め淀の長距離戦攻略には自信あり。リベンジへ準備は整った。
《
皐月賞馬は菊と好相性》
皐月賞馬は
菊花賞と相性が良く、過去に16頭がV。3冠馬以外にも8頭が「2冠」を達成している。ダービー&菊の2冠は戦後の牡馬では
タケホープのみ。対ダービー馬という点では圧倒的優位に立っている。また
皐月賞馬とダービー馬がそろって
菊花賞に出走するのは23年ぶり。前回00年は
皐月賞馬
エアシャカールが2冠を達成。ダービー馬
アグネスフライトは5着に敗れた。
スポニチ