◇厳選超抜リスト
「厳選超抜リスト」は栗東滞在の関東馬
ハーツコンチェルトをピックアップ。ダービーの上位3頭が、
菊花賞では85年(1着
ミホシンザン、2着
スダホーク、3着
サクラサニーオー)以来となる関東馬による1〜3着独占を狙う。
これぞステイヤーと思える、いい意味で力の抜けた走りだった。栗東滞在の関東馬
ハーツコンチェルトは厩舎スタッフ騎乗でCWコース単走。道中ゆったりラップを刻み、外ラチ沿いを回って徐々にスピードに乗っていく。直線も馬なり。追えばグンと加速しそうな手応えでフィニッシュした。6F83秒8〜1F12秒2が示す通り、しまい重点。決して派手な時計ではなくてもバネを利かせ、弾むようなフットワークでゴールへ。2週続けて美浦から駆けつけ、動きをチェックした武井師は「併せ馬をした先週も動きが良かったけど今朝の方が元気良く動けていた」と納得の表情。思い描いた通り、上昇カーブを描いているようだ。
春は
青葉賞2着を
ステップにダービーが首+鼻差の3着。世代トップクラスの力を示した。順調に夏を越し、今季初戦の前走・
神戸新聞杯は1番人気5着。掲示板確保が精いっぱいだったがコースレコード決着、内が伸びた芝のコンディションで外を回って、この馬なりによく脚を使った。あの0秒1差は悲観する敗戦ではない。「前向きな気性に見えるけど騎乗していると冷静すぎるところがあるくらい。使って調子を上げるタイプだし、前走より上向いています」とひと叩きした効果を強調した。
神戸新聞杯の前から栗東に滞在している効果もある。日々、傾斜がきつい逍遥(しょうよう)馬道を通って坂路へ。「アップダウンを利用し、美浦にいる時より負荷がかかっている。体に張りが出てきました」と付け加えた。
初の3000メートルにはいいイメージしかない。スタミナが豊富な
ハーツクライ産駒で普段の調教でも力むことがなく、いかにも長丁場が合うタイプだ。阪神から京都へのコース替わりも好材料。武井師は「小脚を使えるタイプではない。京都は初めてだけど坂の下りを利用し、勢いをつけられるのはプラス」と歓迎する。あと一歩のところまで迫りながら、勝利に手が届かなかったダービーから約5カ月。秋こそは――。その思いを胸にラスト1冠の舞台に立つ。
スポニチ