200万円の追加登録料を払って
菊花賞(22日=京都芝外3000メートル)に参戦するのが
マイネルラウレア。過去には2002年
ヒシミラクル、14年
トーホウジャッカル、15年
キタサンブラックが追加登録馬として菊の栄冠を勝ち取っている。そんな歴史をたどれば、
マイネルラウレアもまた勝負気配漂う一頭と言えようか。
「ダービーを見ていてもやっぱり上位に来た馬は強い。他がヘバったところからまたひと伸びするからね。ラストの持久力の桁が違う」
マイネルラウレアを管理する宮調教師はこんな言葉でラ
イバルたちに敬意を払いつつ、逆転へのイメージを次のように語ってくれた。
「
オークスから
秋華賞のように2400メートルから2000メートルでやるのと、2400メートルから3000メートルに延びるのとでは全然、違う。どの馬もやってみないと分からないところがあるし、そこに得手、不得手が出てくる」
スピード重視の現代競馬において、生粋のステイヤーと呼べる馬は数少ない。しかし、12年の
菊花賞馬
ゴールドシップを父に持つ
マイネルラウレアの過去のレースを振り返ってみると…。道中の追走はひと息でも、ひとたびエンジンがかかれば、ナタの切れ味でグイグイ伸びてくる。そんなレースぶりは“長丁場でこそ”のイメージにピタリと合致する。
「もちろん、ウチの馬も未知数なところはある。でも、いいほうに出る可能性は小さくないと思っているよ」と指揮官の
ジャッジも“得手”寄りなのは間違いない。
夏の暑さの影響もあり、良化途上だった
神戸新聞杯(8着)を叩いて状態はグンと上向き。「馬房での雰囲気、馬体の張り、歩様からして全然、違う」と指揮官が好感触をつかんでいるのはすでに報じられている通りだが、
トライアルを使った収穫はその点だけにとどまらない。
「以前よりは行き脚良く運べていたし、なおかつ位置を取りに行ってもひっかからなかった。ああいう競馬ができたのは
菊花賞に向けて大いにプラスだよね」
“
トライアル仕様”の仕上がりでも、レースぶりにキラリと光るところを見せた前走は、成績以上に本番への手応えをつかめた内容だったのだ。
「これからもっと良くなる馬だけど、現状でも“こうなってくれたら”という期待通りの上昇カーブを描いている」充実一途の
マイネルラウレア。
メジロマックイーンや
ゴールドシップに続く長距離界に「芦毛のニュースター」誕生なるか。配当面も含めたいろいろな意味で、その走りから目が離せそうもない。
(栗東の馼王野郎・西谷哲生)
東京スポーツ