あれから21年。歴史的波乱の再現がないか?演出するのは関東馬
シーズンリッチとコンビを組む
角田大河だ。勝てば、父晃一師と史上5組目の「
菊花賞父子制覇」となる。
父が10番人気の
ヒシミラクルで勝った02年は
菊花賞史上に残る大波乱。2着にさらに人気薄の
ファストタテヤマ(16番人気)が入り馬連が9万6070円、馬単は18万円超。あれ以来、
菊花賞で2桁人気馬の勝利はない。
思えば
ヒシミラクルも前哨戦の
神戸新聞杯で6着に敗れ、評価は急落。
シーズンリッチも
神戸新聞杯が急失速で10着に終わり、もはやその他大勢の扱いにだが、鞍上のやる気は少しも衰えていない。03年生まれの大河に父が勝った
菊花賞は生まれる前の出来事だが、父がいかにして奇跡を起こしたかは強烈にインプットされているようだ。
「(父から)ズブい馬だったと聞いています。ズブくて自分から動かないとダメだったと。僕の馬(
シーズンリッチ)とは真逆ですね」と笑う。
神戸新聞杯では折り合いを欠いた。そこで「1週前にメンコを着けた」。これが光明となる。「凄く
リラックスして走れていた。スタミナはあると思うし、距離というより前に壁を置く状況をいかにつくるかでしょう」と戦術を練る。父が沸かせた
菊花賞。奇跡は起きるんじゃない。起こすものだ。
▼父子制覇メモ
菊花賞の騎手親子制覇は武邦彦(73年
タケホープなど)→豊(88年
スーパークリークなど)&幸四郎(06年
ソングオブウインド)、福永洋一(71年
ニホンピロムーテー)→祐一(13年
エピファネイアなど)、
横山典弘(98年
セイウンスカイ)→武史(21年
タイトルホルダー)の4組。
◇角田 大河(つのだ・たいが)2003年(平15)5月21日生まれ、滋賀県出身の20歳。父は
角田晃一調教師、兄は
角田大和。22年3月デビュー。
JRA通算1063戦66勝。23年
毎日杯(
シーズンリッチ)で重賞初制覇。1メートル65、47キロ。血液型B。
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