「
菊花賞・G1」(22日、京都)
3年ぶりに淀で行われる大一番。今回が
菊花賞33回目の参戦、歴代最多の5勝をマークする
武豊が、勝手知ったる舞台で腕を鳴らしている。コンビを組むのは春2冠の雪辱に燃える
ファントムシーフ。「長距離は騎手で買え」の格言通り、巧みな手綱さばきで菊の長丁場をエスコートし、最後の1冠奪取へと導く。
3年ぶりに京都で行われるクラシック最終戦。この時を誰よりも待ちわびたのが
武豊だ。「
菊花賞は淀でやりたい気持ちが数年あった。いいイメージを持っているレースですから」。88年に
スーパークリークで自身初のG1制覇を飾ってから通算5勝。淀のマイスターは「今年もチャンスのある一頭で挑める。楽しみ」と33回目の参戦で勝機をうかがう。
相棒の
ファントムシーフとは3度目のコンビ。初騎乗のダービーでは「向正面で勇気が足りなかった」と悔やんだように後方待機策がハマらず、スローで前有利の展開となり8着。「結果で応えることができなかった。秋、またチャンスもらったので力が入ります」と、この一戦に懸ける思いは強い。
反撃への光明が見えたのは前哨戦の
神戸新聞杯。逃げの手を打ち、道中は巧みなペース配分で3着に粘り込んだ。「乗り味がすごくいい馬。スタミナもあるという印象。その辺を生かしたい」と本番へのイメージを膨らませた。未知の3000メートルにも「マイナスになるイメージはない」と適応に自信を見せる。
今年はダービーの1〜3着馬が参戦するなど例年よりハイレベルな見立て。「
ファントムシーフも
トップレベルの一頭。何とか
菊花賞でという思いは強い。結果を出したい」。
皐月賞3着と実力は世代屈指。名手の手綱さばきがさえ渡る淀の長丁場で最後の1冠をつかむ。
◆
神戸新聞杯3着から戴冠を目指す
ファントムシーフは8枠15番に決まった。梛木助手は「だいぶ外ですね。もうちょっと内の方が気分的にも良かったんですが…」と渋い表情。それでも「ハツラツとしていて馬の雰囲気はいいです。総合力では今回のメンバーでも負けてはいないと思うし、この馬の良さが出るポジションから運べれば」と、菊最多5勝を誇る
武豊に託す構えだ。
提供:デイリースポーツ