G2「第26回富士S」(1着馬に
マイルCS優先出走権)が21日、東京競馬場で行われ、1番人気
ナミュールが勝利。勝ちタイムの1分31秒4はレースレコードで、22年
チューリップ賞以来の重賞2勝目を飾った。鞍上のジョアン・モレイラ(40=ブラジル)は短期免許初日からいきなりの重賞Vとなった。
惜敗続きの素質馬に約1年半ぶりの勝利をプレゼント。この日から短期免許で騎乗したモレイラは、
ナミュールの馬上で満面の笑みを浮かべた。「初日から勝つことができてうれしい。午前中はなかなか勝つことができなかったが、これで
ビッグスマイルで帰れます」。世界的名手の強烈な先制パンチだ。
勝負どころの直線。やや進路を見つけにくい形となる。スムーズさを欠いた春のG12戦(ヴィクトリアM7着、
安田記念16着)の再現か。しかし、眼前に開けた1頭分のスペースに“マジックマン”の合図でねじ込む。瞬時の加速で一気に馬群から抜け出した。モレイラは「余裕があったし(ゴールまで)もっと距離があっても負けなかったと思う。VTRで見るよりも素晴らしい瞬発力を持った馬」と相棒を称賛した。
昨年は
オークス3着、
秋華賞2着と中距離の牝馬G1で活躍したが、やはりマイルは切れる。今後について高野師は「対応できる(距離の)レンジは広いと思う。そこも含めて選択肢は多いので考えたい。いい馬なのでなんとかG1の勲章を」当然、この日コンビを組んだ名手の動向もポイントとなるだろう。
菊花賞ではダービー馬
タスティエーラと初コンビを組むモレイラ。「これからいい馬にたくさん乗せてもらうことになると思う。勝てるように頑張りたい」と自信満々。秋シーズンの
JRAで騎乗するのは18年以来。5年ぶりの“モレイラ旋風”到来を告げるVだった。
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ナミュール 父
ハービンジャー 母サンブルエミューズ(母の
父ダイワメジャー)19年3月2日生まれ 牝4歳 栗東・高野厩舎所属 馬主・キャロット
ファーム 生産者・北海道安平町のノーザン
ファーム 戦績12戦4勝(重賞2勝目) 総獲得賞金2億5319万1000円 馬名の由来はサンブル川と
ミューズ川が合流するベルギーの都市。母名から連想。
スポニチ