「
富士S・G2」(21日、東京)
1年7カ月の長いトンネルを抜け、1番人気の
ナミュールが復活を遂げた。直線半ばではまだ馬群の中。残り2F標で外に見つけた体半分くらいのスペースをこじ開け、一気に抜け出すと、4番人気
レッドモンレーヴの追い上げを封じて快勝した。
モレイラはこの日が今年2度目の短期免許の復帰初日で、
ナミュールとは初コンビ。「いろいろVTRは見てきたが、瞬発力があるようには見えなかった。でも、直線は素晴らしく伸びて強かった。後続が来ても手応えに余裕があったし、差されない自信があった。もっとゴール板が先でも耐えていた」と想像を超える力強い走りに驚きを隠せなかった。
高野師も「いい状態で競馬場に連れて来れば、こういうパフォーマンスをしてくれる馬です」と絶賛。3歳3月の
チューリップ賞V後は、7戦勝ち星から遠ざかっていたが、高い能力への信頼が揺らぐことはなかった。
今後について、師は「いろんな選択肢があるし、ジョッキーのこともありますからクラブと相談して。レンジは広いと思います。疲労のあった(22年の)
エリザベス女王杯も掲示板に入ったし、
オークスも走った(3着)ので。能力が高いんです。いい馬なのでG1の勲章をつけてあげたい」と慎重に路線を選ぶ意向だ。優先出走権を獲得した
マイルCS(11月19日・京都)か、
エリザベス女王杯(11月12日・京都)か、それとも
ジャパンC(11月26日・東京)か-。輝きを取り戻した4歳牝馬の可能性は広がるばかりだ。
提供:デイリースポーツ