今週の冒頭も東京開催ネタ。2022年4回東京の最終週で行われた4レースの新馬戦のうち「後の○○」の活躍を見せた馬が2頭。まず、東京芝1600mを勝った
シャンパンカラー(美浦・
田中剛厩舎)は後の
NHKマイルCでGIを勝っている。
そして、東京ダート1600mを勝った
パライバトルマリン(美浦・
林徹厩舎)は後の
関東オークスでダート交流重賞を制覇。来年は3歳ダート路線が整備された元年ともなるので、やはり東京ダート1600mを勝つ馬がその路線の主役を張っている可能性は大いにあるだろう。
【10月28日(土) 京都ダート1400m】
◆
オアシスドール(牝、父
キタサンブラック、
母オアシスクイーン、栗東・
高柳大輔厩舎)
ひとつ上の半兄
モカラエース(父
ヤマカツエース)は同厩舎で管理されていて、現在は1勝クラス。兄との比較では「こちらの方が精神的に大人しくて、少しトモが小さかった兄よりもこちらの方がトモはしっかりしています。全体的な
バランスがいいですね」と
高柳大輔調教師の評価は高い。
先週のCW追い切りには、レースで騎乗予定の
坂井瑠星騎手が跨って併せ馬。相手は下記でも紹介している
テーオードラッカーだったので、ゴール前の手応えはやや見劣るところがあったが、6F81.6秒と時計的には十分動くことができている。10月15日の坂路ではラスト1Fが11.9秒をマークしているように、脚力自体は間違いなく水準以上だろう。
【10月28日(土) 京都芝2000m】
◆
ブエナオンダ(牡、父
リオンディーズ、
母オーサムウインド、栗東・
須貝尚介厩舎)
母系に同厩舎で管理され、今年の
若葉Sを勝った
ショウナンバシット(父
シルバーステート)がいる血統。本馬は2022年セレクトセール1歳にて、1億500万円(税抜き)で落札されている。
6月23日にノーザン
ファームしがらきから栗東へ入厩。6月29日にゲート試験を合格した後は牧場へ戻って調整。9月29日に栗東へ再入厩した後は坂路で順調に追い切りを積み重ねている。先週19日のCWでの追い切りには、レースで騎乗予定の
川田将雅騎手が騎乗。新馬との併せ馬だったが追走して先着。6F84.5秒と全体時計は平凡だったが、ラストは11.6秒の伸び。今回入厩の追い切りでは併せ馬はすべて先着しており、いかにも初戦から動けそうなタイプ。
【10月29日(日) 京都芝1800m】
◆
ローマンレイク(牝、父
ドレフォン、
母メジロオードリー、栗東・
松永幹夫厩舎)
半姉に2021年
フラワーCを勝った
ホウオウイクセル(父
ルーラーシップ)がいて、祖母は
メジロドーベル(
父メジロライアン)という血統。
本馬は8月4日に栗東でゲート試験を合格した後、ノーザン
ファームしがらきで調整し、9月29日に栗東へ再入厩。CWと坂路を併用して、順調に追い切りを消化。先週のCWでは新馬での3頭併せを一番後ろから追いかけて、最先着しているが、動きには余裕があった。6F82.0秒、3F37.0秒、1F11.8秒と時計も優秀。「まだ幼い部分もありながら、この動きですから楽しみですね」と
松永幹夫調教師。なお、鞍上は藤岡康太騎手が予定されている。
【10月29日(日) 東京ダート1600m】
◆
テーオードラッカー(牡、父
コパノリッキー、
母マキシムカフェ、栗東・
高柳大輔厩舎)
半兄
テーオーケインズ(
父シニスターミニスター)は同厩舎で管理され、2021年に
帝王賞、チャンピオンズC、2022年には
JBCクラシックとダートGI/JpnIを制している。父が
コパノリッキーに替わったこともあって、兄とは「体型や気性は違いますね」と
高柳大輔調教師。
先週のCWではレースで騎乗予定の
川田将雅騎手が跨っての併せ馬。高柳調教師からは少し前がかりなところがあると聞いていたので、道中の折り合いを心配して見ていたが、不安になるようなところはなし。しっかり脚をためた感じで走ることができており、ゴールでは先着。時計は6F81.2秒、3F36.8秒、ラストは11.8秒と非常に優秀な数字でまとめた。兄は新馬戦3着だったが、この動きなら兄の果たせなかったデビュー勝ちを期待したくなる。
(取材・文:井内利彰)