今年3月にデビューした
田口貫太騎手(19)=栗東・
大橋勇樹厩舎=が、10月14日の京都1Rで勝利し、中央と地方を合わせて通算31勝目をマーク。同期で最初に
JRA・G1の騎乗が可能となる規定をクリアした。同時に、特別戦とハンデ戦以外のレースに騎乗する際の負担重量の減量が3キロ(▲)から2キロ(△)となった。
初騎乗から約7か月半での到達。与えられたチャンスを地道に結果につなげてきた。10月23日現在、
JRAでの騎乗数は同期で最も多い442鞍(2番目に多い
小林勝太騎手=美浦・
小野次郎厩舎=は327鞍)。依頼される厩舎の数も目に見えて増えてきたが、やはり根本にあるのは師匠の手厚い
バックアップだ。
「うちの厩舎は個人オーナーが多い。『貫太でいきます』とお願いして、理解していただけているのが大きい」と大橋調教師。これまで弟子に100鞍以上の手綱を任せている。騎乗技術に関しては「まだまだやで」とさすがに辛口だが、競馬に向き合うひたむきな姿勢は「性格が素直。努力して、がむしゃらに頑張っている。顔つきも少しはピリッとしてきたかな」と評価。「もっと勝ち癖をつけていってほしい」とサポートを惜しまない。
3場開催になると、活躍の場を求めてローカル競馬場に遠征する若手騎手は少なくない。一方で田口騎手は一貫して京都や阪神など「西の主場」でプレーしている。「ローカルと違って小細工が利かない力勝負、技術勝負になる。周りもうまいから、得られることが多いと思う」と大橋師。減量騎手が各地に散らばり、声をかけてもらいやすい状況になることも好循環につながっているようだ。
10月1日の阪神12Rでは、12番人気の11歳馬
マイネルプロンプトをVに導き「
JRA平地の最高齢勝利」の新記録を樹立。“10代コンビ”が歴史に名を刻んだ。やはりこのルーキーは何かを持っている、と感じずにはいられないレースだった。
デビューして間もないころにジョッキー本人が明かした1年目の目標は、所属厩舎が「新人騎手育成賞」の表彰対象となる
JRA30勝。「減量が減っても、やることは変わらないので」と田口騎手。先週を終えて24勝で、持ち前のガッツと向上心で「あと6」をクリアして、また新たな目標を聞かせてほしい。(
中央競馬担当・吉村 達)
スポーツ報知