【G1ドキュメント・栗東=26日】
天皇賞・秋は登録段階の13頭から
アサマノイタズラ、
スターズオンアースが回避し11頭立て。これは
天皇賞・秋が距離2000メートル施行となった84年以降では最少頭数。レーティング世界1位の評価を得る
イクイノックスを筆頭に強豪が顔をそろえるが穴党のオサムには少々、物足りない。多頭数にありがちな紛れが激減するからだ。
が、「少頭数は荒れる」の格言がここでも使えないか?そう、
エヒトの出番。G1初挑戦は承知。それでも生涯最高と言える今だからこそ大舞台に挑む。
出走馬唯一の木曜追いは坂路。気合良くスピードを上げ、自らの意思でグイグイ駆け上がる。ほとばしる前進気勢。4F52秒7。ラスト1Fも12秒0でしっかりまとめて状態の良さをアピール。先立つ先週金曜には坂路4F50秒0の猛時計を叩き出しているのだ。容赦ない攻め姿勢。動きを確認した森秀師は淡々とした表情で言葉をつないだ。
「今朝はあまりやっていないが、ラストは伸びていたし、いい状態だと思います。間隔を空けて使っているので(夏場から連戦でも)大丈夫。これぐらいの距離も得意な馬なので」
アドバンテージがあるとすれば夏場から使われてきた強みに他ならない。時代に逆行する臨戦ではあるが、たくましさに磨きをかけた。夏場の
小倉記念で重賞2勝目を挙げたように、叩き上げの強さを感じる。
「相手は相当強いですが自分のレースができれば。なかなかそうもいかないがG1でいい着順になれるよう頑張りたいですね」
指揮官が描くレースは積極策か。思い出すべきは昨年の
七夕賞。早め進出から
ヒートオンビート以下に2馬身半差、完封した大胆な取り口。位置取りさえうまくいけば必ず沸かせる。繰り返す。少頭数は荒れる!!
《叩いて上積み》
オールカマー11着から参戦する
エヒトは2枠2番に決まった。清水亮助手は「もう少し外めを引いて道中、動いていける枠が理想だったが仕方ないです。しっかりスタートを決めて、
小倉記念(前々走1着)のようにいいポジションを取りたい」と前を向く。キャリア29戦目でG1初挑戦。「前走は少し急仕上げなところがあったし位置取りも後ろすぎた。その後はここを目標に進めて状態はいい」と上積みを強調した。
スポニチ