優勝馬にはマイルチャンピオンシップの優先出走権が与えられるレースで、今年は3年ぶりに京都競馬場外回りコースで行われる。京都競馬場で行われた過去10年(2011〜2020年)で3番人気以内馬は【8-5-3-14】と堅調傾向。別定重量で行われるGII競走で実力馬に有利な舞台設定であることは間違いないが、非根幹距離で行われるレースだけに距離実績は大切にしたい。

　◎グレナディアガーズは一昨年の阪神カップに勝ち、昨年は2着。朝日杯フューチュリティステークスをレコード勝ちした馬だが、道中ではしっかりと溜めを作りたいタイプなので、本質的にはマイルよりも1400mに適性を感じる。今春の阪急杯は好位グループの外目を追走せざるを得ないような位置取りになったために前に馬を置くことが出来ずに人気を裏切り、前走の高松宮記念は枠順に泣かされたが、それでも最後方から5着まで押し上げた。今回は高松宮記念以来の1戦となるが、海外帰り約3ケ月ぶりの阪神カップで2着しているくらいだから大きく割り引く必要はなさそうだ。

　〇ララクリスティーヌは京都牝馬ステークス優勝馬で、昨年のスワンステークスはダイアトニックの2着。この距離では【4-3-0-2】と堅実な走りを見せている。ヴィクトリアマイルの内容から人気となった関屋記念は最後の直線で不利を受けたこともあって「らしさ」を見せることができなかったが、追われてからピリっとしなかったのも事実。マイルよりは1400mに向くのは実績が証明している。ここは仕切り直しの1戦。前走を度外視して狙いたい。

　▲ウインマーベルは京王杯スプリングカップ2着馬。3歳春には橘ステークスにも勝っており、直線入り口で大きな不利を受けて、最後は無理をしなかったファルコンステークス以外は、この距離で崩れていない。前々走キーンランドカップは道悪に泣かされ、前走はスタートで出遅れた。スプリンターズステークス2着含めスプリント重賞での実績には敬意を表するも、追われてからトップギアに入るまで時間を要するタイプ。長い直線コースの1400mはベストディスタンスかもしれない。

　△アヴェラーレは関屋記念優勝馬。この時に負かしたディヴィーナは中京記念2着から挑んできた馬で、次走府中牝馬ステークスに勝ったのだから価値は高い。春の京王杯スプリングカップも、3歳春のニュージーランドトロフィー以来の重賞挑戦ながら差のない競馬をしており、血統に恥じない能力を証明している。△ルガルは朱鷺ステークス3着馬。最後の直線で大きな不利があってクビ＋ハナ差なら悲観する必要はない。△ルージュスティリアは昨年秋から今年にかけての3連勝が印象に残る。マイル戦を中心に使われてきた馬だが、府中牝馬Sは案外だった。連勝が止まった△エクセトラともどもこの距離でもう1度見直したい。