個人的に「秋開催京都芝1600m、牝馬限定戦」でデビュー勝ちすれば、後に大きな舞台で活躍するというイメージを持っていたので、過去のデータを調べてみた。少し古くはなるが、2010年にデビュー勝ちした
ドナウブルー(
父ディープインパクト)は
京都牝馬Sなど重賞2勝で
ヴィクトリアマイル2着などのGI実績も残している。
2015年にデビュー勝ちした
シンハライト(
父ディープインパクト)は3連勝で
チューリップ賞を制し、
桜花賞2着の後に
オークスを制覇。ということで、3回京都開催の開幕週で行われる、今年の芝1600m(牝)から大物は現れるだろうか。
【11月5日(日) 京都芝1600m(牝)】
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フレミングフープ(牝、
父ハーツクライ、
母シーズアタイガー、栗東・
友道康夫厩舎)
2021年セレクトセール当歳にて、2億円(税抜き)で落札されており、全兄に東京スポーツ杯2歳S2着、
共同通信杯3着といった重賞実績がある
ダノンザタイガーがいる。
夏の函館競馬場でゲート試験に合格。その後、牧場で調整して、9月26日にノーザン
ファームしがらきから栗東へ帰厩。「函館に入厩した時はまだ成長過程の途中という体つきでしたが、夏を越して、すごく
バランスのよい体になりましたね」と
友道康夫調教師。10月26日のCWではレースで騎乗予定の藤岡康太騎手が跨って3頭併せ。一番後ろから追いかけたが、ラスト1F標識であっさりと前2頭を交わし去っていく反応良い走り。全体時計は遅かったが、ラスト1F10.9秒のラップは光っている。
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ハワイアンティアレ(牝、父
ロードカナロア、
母モアニケアラ、栗東・
松永幹夫厩舎)
母モアニケアラは現役時代に
松永幹夫厩舎で管理され、ダートで5勝を挙げているが、その初仔となる。
栗東でのゲート試験合格後も在厩で調整を進め、坂路を中心に追い切りを消化。10月18日はCWでの3頭併せで6F83.2秒をマーク。その内容に「動きは徐々に良くなってきました」という
松永幹夫調教師。先週の坂路では新馬を大きく追走して、しっかりと追いついて4F53.5秒をマーク。派手さはないものの、着実に良化を辿る動きといってよいだろう。
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ソルセルリ(牝、父
ロードカナロア、
母ペイドメルヴェイユ、栗東・安田隆行厩舎)
母系には2011年ドバイワールドCや2010年
有馬記念、
皐月賞といったG1を勝った
ヴィクトワールピサ(
父ネオユニヴァース)がいる血統。
本馬は10月6日のゲート試験を合格し、栗東に在厩したまま調整。10月19日のCWでは3頭併せの先頭で古馬3勝クラスには遅れてしまったが、新馬には先着。6F84.4秒をマークし、初めてのCW追い切りとしてはまずまずの内容だった。そして先週のCWでは新馬を追走して同入、6F82.0秒と時計を大幅に更新。「騎乗している調教助手の評価が高い馬ですが、今朝の動きはしっかりしていましたね」と追い切りを振り返る安田隆行調教師。
【11月5日(日) 京都芝2000m】
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シグネチャーセント(牡、父
リオンディーズ、
母アドマイヤアロマ、栗東・
橋口慎介厩舎)
母系に未勝利では勝ち上がれなかったものの、ダート1700mの1勝クラス(当時500万下)で勝ち上がり、その後は芝で4勝を挙げた
ピンクプルメリア(
父Caerleon)がいる血統。
本馬は7月19日にノーザン
ファームしがらきから栗東へ入厩。その後、7月27日にゲート試験を合格した後、一旦牧場へ戻って調整。10月6日に栗東へ再入厩して、坂路とCWを併用して追い切りを重ねている。10月25日のCWでは3頭併せ。新馬には先着、古馬2勝クラスには食い下がる動きで同入。6F83.6秒をマークしている。なお、鞍上は
鮫島克駿騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)