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“二刀流騎手”熊沢重文が引退 平地G1で3勝、障害JRA最多257勝 頸椎骨折で決断「感謝しかない」

スポニチ
  • 2023年10月31日(火) 05時30分
 91年有馬記念ダイユウサクで制するなど平地、障害の“二刀流騎手”として活躍した熊沢重文(55)が11月11日付で騎手免許を取り消すことになったと30日、JRAが発表した。11月11日の京都競馬最終レース後にウイナーズサークルで引退式が行われる。

 熊沢は昨年2月の落馬で第2頸椎(けいつい)を骨折。今年2月に1年ぶりに復帰し3月に今年初勝利を挙げたが、6月3日の障害戦での落馬を最後に実戦から遠ざかっていた。「ケガをした頸椎はボルトで固定しているんですけど、骨自体はくっついてはいないので、普段の生活でも打ちどころが悪ければ危ない、とドクターストップを受けて決めました」と説明。「諦めないで馬が好きなだけで頑張ってこられました。デビューしてから人にも馬にも恵まれた方だと思うので、本当に感謝しかないです」と思いを語り、今後については「まだ何も考えていないです。馬に乗ること自体が危ないとのことなので違う形で何かあれば」とした。

 86年に騎手デビュー。88年オークス(コスモドリーム)でG1初制覇を飾ると、91年有馬記念ではブービー14番人気のダイユウサクメジロマックイーンなどを破る大金星。単勝1万3790円は今も破られない有馬記念レコードだ。一方で12年の中山大障害(マーベラスカイザー)を勝つなど障害でも活躍し、JRA史上初の平地・障害ダブルG1制覇、ダブル200勝を達成。障害ではJRA歴代1位となる257勝をマークした。

 ◇熊沢 重文(くまざわ・しげふみ)1968年(昭43)1月25日生まれ、愛知県出身の55歳。86年3月2日に阪神7Rで騎手デビュー(ジュニヤーダイオー5着)、同29日の阪神8Rジュニヤーダイオーで初勝利。88年オークスコスモドリームでG1初勝利を飾り、91年有馬記念はブービー14番人気ダイユウサクでV。15年には史上初の平地&障害ダブル200勝を達成するなど二刀流で活躍。21年10月24日の新潟4Rで障害通算255勝目を挙げ、障害競走最多勝記録を更新。JRA通算1万5222戦1051勝(平地794勝、障害257勝、重賞は33勝)。1メートル53、53キロ。血液型O。

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