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【ブリーダーズCクラシック】ウシュバテソーロ、砂の世界最強馬決定戦へ勝算十分「凱旋門賞より勝つ可能性がある」

スポーツ報知
  • 2023年10月31日(火) 06時15分
◆ブリーダーズCクラシック・米G1(11月4日、サンタアニタパーク競馬場)

 今週は福島が開幕し東京、京都と3場開催。G1はひと休みだが4重賞、交流重賞のJBC競走、さらにJRA馬券発売対象の米競馬の祭典ブリーダーズC(日本時間4、5日早朝、サンタアニタパーク競馬場)も行われる。砂の世界最強馬決定戦とされるクラシックに挑むウシュバテソーロを、茨城のチェスナットファーム阿見トレーニングセンター場長で、了徳寺健二ホールディングスの副社長も務める広瀬祥吾氏(32)が徹底解説する。

 〈1〉BCクラシックに ウシュバテソーロ陣営は、ドバイ・ワールドC圧勝直後、凱旋門賞挑戦を口にしていた。なぜ矛先を転じたのか。揺るぎない自信と勝算があってこそだ。

 広瀬氏「冷静に考えてこちらの方が条件が合うなとみんなで話しました。ダートで成績が出ているし、コース、馬場形態は日本と似たような感じ。現時点で凱旋門賞より勝つ可能性があると判断しました」

 〈2〉ドバイ向こう正面 3月のドバイ・ワールドC。最後方から向こう正面で外に出すと、直線では大外から次元の違う破壊力で伸びて勝利。G1・3連勝を含む5連勝で世界を制圧してみせた。

 広瀬氏「去年の夏あたりからグワッと良くなって、ダートを使ってからも馬が変わってきた。ドバイではオーラが出ていましたね。向こう正面で自分から動いたので勝ったなと。レース前に話していた通りの展開でしたから。レース後、馬は右目かな、砂でほぼ埋まっていました。それだけキックバックを食らいながら普通に勝つんですから。メンタルが本当に強いんだと思います」

 〈3〉あえて酷暑で調整 帰国後は9月27日の日本テレビ盃からの始動を考え、例年の北海道ではなく、夏場は同じ気温の阿見での調整を選択。クーラー完備の厩舎で生活し、調教は暑くなる前の早朝。緻密な計算のもと酷暑をクリアした。

 広瀬氏「ドバイから帰国後も、疲れもなかったので3日後には坂路に入っていましたね。調教でまったく手がかからない。調教を重ねたり、年齢を重ねると筋肉が硬くなってきたりする馬がいるなかで、常にフレッシュ。体も1年間でほとんど治療したこともないです。もともと持ったポテンシャルですね」

 〈4〉「反撞(はんどう)」のでかさ 21年5月、同ファームに初めて入場してから実際に調教で強さの秘密を感じ取っている。

 広瀬氏「ダク、速歩(はやあし)の反撞(馬の運動で鞍に伝わる衝撃)がすごくでかいんです。完歩もでかくて、つながったなかでパンパンパンという速歩がすごくいい。芝では硬いけど、でもダート馬にしては柔らかい。だから切れ味がすごいんだと思う。芝の経験も生きているんでしょうね」

 〈5〉行けるところまで ドバイWCとブリーダーズCクラシックを同一年で制するのは史上初。歴史的な挑戦だが、夢はそこで終わらない。

 広瀬氏「負けた時はよっぽど調子が悪かった時だけでしょうね。今が一番いいと思う。(オーナー、関係者と)来年もいろいろ大きいところに出て行こうかという話はしています。行くところまで行ってほしいですね」(取材・構成、松末 守司)

 ◆広瀬 祥吾(ひろせ・しょうご)1990年11月20日、北海道出身。32歳。父は育成牧場「チェスナットファーム」(北海道浦河町)の代表を務める亨氏。幼少期から馬が身近におり、専修大時代は、09年の全日本総合馬術大会で4位に入るなど、全国レベルで活躍。16年3月に同ファームの阿見トレセンが開場。のちに場長に就任した。約2年前から以前からオーナーと親交があった縁で、了徳寺健二ホールディングス(株)の副社長も兼任。

スポーツ報知

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