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【ブリーダーズCクラシック】ウシュバテソーロに流れる運命の血「ミスタープロスペクターが母国に呼び戻したのでは」

スポーツ報知
  • 2023年10月31日(火) 06時30分
◆ブリーダーズCクラシック・米G1(11月4日、サンタアニタパーク競馬場)

 JRA馬券発売対象の米競馬の祭典ブリーダーズC(3、4日=日本時間4、5日早朝、サンタアニタパーク競馬場)が行われる。

 ウシュバテソーロを生産した名門・千代田牧場(北海道新ひだか町)は、ワールドハヤブサに代表される自家牝系を大切に育てながら、海外から繁殖牝馬の導入にも積極的に取り組んできた。

 祖母シジェームサンは、現役時代にサンゴルゴニオH・米G2など芝で重賞3勝を挙げて、飯田正剛代表が繁殖牝馬として97年のキーンランドノベンバーセールで75万米ドルで購入した。5代母バイユーから広がった一族は、国内外で大きく発展している。

 「もともとフランスからトレードされた馬で、日本の芝でと思って期待して導入しました。黒鹿毛の大きな馬でしたが、その3代母にバイユーがいるなど血統の裏付けがある点も評価しましたね」

 シジェームサンは03年の東京新聞杯を制したボールドブライアンなどの重賞ウィナーを送り出し、キングカメハメハとの間に生まれた8番子が母ミルフィアタッチだった。現役時はダートで3勝を挙げたが、芝での活躍をイメージしてオルフェーヴルを15、16年と2年連続で種付けした。

 「実は1つ上のミヤジハヤカゼが、すごく筋肉量のある、いい馬だったんです。屈腱炎で活躍はできませんでしたが。それで次の年も続けてオルフェーヴルを付けて生まれたのがウシュバテソーロです。父は3冠を取ったし、皆がいい繁殖牝馬に付けていましたからね」

 19年8月のデビューから芝で走ってきたが、昨春にダート路線に転向すると一気に本格化した。ブラジルCから一気の6連勝。ドバイ・ワールドCを勝つなど一躍世界トップレベルに上り詰めた。

 「私は芝だと思っていましたが、今週は世界最高峰のブリーダーズCクラシックへ行くのですからね。キンカメが効いていると思うし、(その父の父で米国の大種牡馬の)ミスタープロスペクターが母国に呼び戻したんじゃないかな。ここまで負けないのは大変なことで、高木(登調教師)も痩せるんじゃない(笑い)。彼は同じ大学(麻布獣医科大、現麻布大)の後輩なんだけど、助手の深見(正和)さんも含めて、高木厩舎はよくやってくれていると思います」

 80年近い歴史を誇る名門牧場が、信念で紡ぎ出した夢の結晶。「ぜひ、ここまできたら勝ってほしいね」。手塩にかけた血統へ注いだ愛情が、大輪の花を咲かせる日がやって来る。(坂本 達洋)

 ◆千代田牧場 1945年に祖父・武氏が千葉県山武郡千代田村(現芝山町)に開場。66年に静内牧場を開場して、生産拠点を北海道に移す。主なG1勝ち馬(グレード制導入後の84年以降)は、ニッポーテイオー(87年天皇賞・秋マイルCS、88年安田記念)、タレンティドガール(87年エリザベス女王杯)、スマイルトゥモロー(02年オークス)、ピースオブワールド(02年阪神JF)、ホエールキャプチャ(12年ヴィクトリアマイル)、ダノンプラチナ(14年朝日杯FS)、サークルオブライフ(21年阪神JF)。

スポーツ報知

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