2018年
ダノンファンタジー、19年
レシステンシアは続く阪神JFでGI制覇を達成。他にも
ラインクラフト(04年)、
アストンマーチャン(06年)、
メイケイエール(20年)など、歴代の優勝馬にスターホースが数多く名を連ねるGIII
ファンタジーS(11月4日=京都芝外1400メートル)は若き牝馬の登竜門となっている。
阪神JFを除けば関西圏で行われる唯一の2歳牝馬重賞。例年、好メンバーが揃う一戦でどんな競馬ができるかは、今後の大舞台を見据える若駒たちにとって絶好の試金石となろう。そんな注目の一戦に3戦2勝と主役級の成績で参戦するのが
シカゴスティングだ。
「ここまで中京、新潟、小倉で使ってきましたが、気負い過ぎることなく競馬ができたのはメンタル的にも強いのかなと思わせてくれましたし、いろいろな経験を積みながら結果もついてきてくれたのは良かったです」
調整役を務める花田助手はこんな言葉でデビュー3戦を評価する。経験の浅い2歳馬にとって初コース、長距離輸送といった未知の要素は、ともすれば足をすくわれかねない課題。それらをパスしながら安定した成績を残してきた
シカゴスティングには、蹄跡以上のポテンシャルを感じずにはいられない。
「スピードがあって位置を取りに行きやすく、ポジションを取ってからも折り合いがつきやすいのがこの馬のいいところ。競馬の組み立てがしやすい馬なんですよ。そのあたりが取りこぼしが少なくなるような要因になってくれれば」
初めて栗東トレセンに入厩した時から「こちらの意図するところをスッとくんでくれる」センスの良さを見せていた
シカゴスティング。そのセンスは一戦ごとに磨きがかかっている。
「前走(
フェニックス賞)は内容がとても良かった。未勝利戦では抜け出してから遊ぶところがありましたが、しっかり脚をためることを覚えさせてくれたうえで、直線の反応もしっかりしていましたから。ジョッキーが競馬の形を教えてくれて、いい経験ができたのではないでしょうか」
前半3ハロン通過が35秒6の緩ペースでも我慢の走りができた前走は、結果はもちろん、内容的にも収穫多き一戦となった。
「中間は休養を挟んで、ここを目標にしっかり調整できています。(直線が)平坦の京都コースもいいと思いますし、競馬も上手な馬なので楽しみですね」
完成度の高さを武器に未勝利から一気の3連勝へ。
シカゴスティングの進撃からは、まだまだ目が離せそうにない。
(西谷哲生)
東京スポーツ