◆第48回
エリザベス女王杯・G1(11月12日、京都競馬場・芝2200メートル)
第48回
エリザベス女王杯・G1(12日、京都)は、現役時代に幾度も対戦した名牝2頭の娘が初対決する。12年の牝馬3冠馬でG1・7勝の
ジェンティルドンナを母にもつ昨年の覇者
ジェラルディーナは、「考察・血統編」で最高のG評価。一方、同年の牝馬3冠すべて2着に甘んじたG1・2勝の
ヴィルシーナの娘
ディヴィーナは、
府中牝馬Sで重賞初制覇を果たし勇躍、駒を進めてきた。連覇か、母の雪辱か、それとも…。
12年の牝馬3冠を達成し、同年と翌13年の
ジャパンCを連覇。さらに14年のドバイ・シーマクラシックと
有馬記念を勝ったG1・7勝の名牝、
ジェンティルドンナを母に持つ
ジェラルディーナ。そんな母が出走しなかった
エリザベス女王杯を昨年に勝利し、今年は連覇がかかる立場での出走となる。母の全姉
ドナウブルーはG3を2勝したが、ともにマイル戦でのものだった。
ジェラルディーナが昨年の
有馬記念で3着に好走できたのは、やはり母のスタミナも受け継いでいるからだろう。
父の
モーリスは、現役時代にマイルG1を4勝した強さが印象的だったため、種牡馬としても短距離からマイル向きというイメージがあるが、産駒の
JRAの芝重賞14勝の内訳をみると、1200メートル〜1800メートルで6勝、2000メートル〜2200メートルで8勝をマークしている。今年だけでも
中山金杯(
ラーグルフ)、アメリカJCC(
ノースブリッジ)、
大阪杯(
ジャックドール)、
新潟記念(
ノッキングポイント)と4勝を挙げており、最近はより、中距離以上で結果が出ている。
モーリス産駒の芝2200メートルにおける重賞成績は、これまで延べ15頭の産駒が出走して3勝、2着1回。勝率20%、連対率26・7%はともに距離別でトップの数字で、単勝回収率は241%を誇る。
モーリスの父、
スクリーンヒーローは08年
ジャパンC(芝2400メートル)を勝ったことを考えると、この傾向もうなずける。血統からも京都の2200メートルは最適と言える。昨年制した
オールカマーは今年は6着だったが、外を回るロスが響いてのもの。
宝塚記念は
イクイノックスに0秒2差の4着と中身が濃かった。メンバー唯一のG1馬として、連覇は譲れない。(山下 優)
◆母の対戦成績 2頭の母は09年生まれで、現役時代に7度対戦し、対戦成績は
ジェンティルドンナの6勝1敗。12年は牝馬3冠に
ローズSを含めた4戦で、
ヴィルシーナはすべて2着と後じんを拝した。13年は
ジャパンCで
ジェンティルドンナが勝ち、
ヴィルシーナは7着。
ジェンティルドンナが9着に敗れた14年の
宝塚記念で
ヴィルシーナが3着と先着した。最後の対戦だった同年
有馬記念を制した
ジェンティルドンナに対し、
ヴィルシーナは14着に敗れている。
スポーツ報知