「
エリザベス女王杯・G1」(12日、京都)
秋華賞3着と世代トップクラスの存在感を放つ、
ハーパーが栗東坂路で躍動。馬なりで軽やかに坂路を駆け上がり、G1初制覇へ向けて万全の態勢をアピールした。
府中牝馬Sを制すなど充実期を迎えた僚馬
ディヴィーナも、栗東坂路で力強い脚さばきを披露。母は、このレースに3度挑戦して12年2着が最高だった
ヴィルシーナ。母子2代の夢の実現に向け、視界は良好だ。
充実一途だ。
ハーパーは栗東坂路で単走追い。伸び伸びとしたフットワークで、軽やかに駆け上がり、馬なりで4F55秒4-39秒9-12秒5を計時した。友道師が「しまいの反応を確かめる感じで。見た感じも乗っていた助手の話もいい。ひと回りくらい大きくなって、たくましさが出てきた」と口にするように、順調な成長曲線を描けている。
これまで牝馬3冠戦に全て出走し、4、2、3着。前走の
秋華賞でも、
リバティアイランドの壁は高かったが、好位で運んでラストは鋭く脚を伸ばし、同世代の中でも際立った存在感を示している。指揮官は「ひと夏を越して思っていた通りの成長をしてくれていた。京都の内回りで内枠だったので、窮屈なところがあり自分のリズムで走れず、最後の伸びを欠いたのかな」と改めて冷静に分析をする。
今回の舞台は京都2200メートルへ。師は「長くいい脚を使う馬だから、外回りの広いコースの方がよりこの馬の持ち味を生かせる」と歓迎。「長距離に向く血統で、息の入りが良く、心肺機能に優れている。この馬の現状の力を一番出せるコース」と期待は大きい。
今年の
デイリー杯クイーンCをともに勝利して以来4戦ぶりにコンビを組む川田も、「3冠全ていい走りでいいレースをしています。ここまで順調に来ていますし、距離も問題なく走れるんじゃないかなと思います。全力でともに素晴らしい競馬ができるように」と力を込める。成長を続ける3歳馬が、念願のG1タイトルを奪取すべく、強豪に正々堂々と立ち向かう。
<調教診断>栗東坂路での最終追いは、中3週と間隔が詰まっているため、馬なりでしまいの反応を確かめるものだったが、以前と迫力が全く違う。友道師が「たくましさが出てきた」と話すように、ひと夏を越しての充実感が目に見えて明らかだ。集中力も保って走れており、距離延長でも折り合い面に不安はない。
提供:デイリースポーツ