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【エリザベス女王杯】競馬界に新たな名コンビ誕生か イタリアの名手M.デムーロが“プリンセス”ディヴィーナを女王の座へと押し上げる/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2023年11月10日(金) 18時01分
 競馬界に新たな名コンビの誕生なるか──。エリザベス女王杯(12日=京都芝外2200メートル)に出走するディヴィーナM.デムーロは、管理する友道調教師も驚くほどの信頼関係で結ばれている。

「以前はレース前に終わってしまうこともあったんだけど…。ミルコが乗るようになってからは、返し馬の段階からしっかり折り合いがつくんです。それだけ手が合うんでしょうね」

 テンションの高さが邪魔をして、レースで力を出し切れない。そんなケースが少なくなかったディヴィーナが、M.デムーロとコンビを組んで以降は…。ヴィクトリアマイルで15番人気4着に好走したのを皮切りに、前走の府中牝馬Sで待望の重賞タイトルを獲得するまでトータル[1-2-0-1]。これまでがウソだったかのような安定した競馬ぶりを見せ続けている。

 そもそも手が合う理由は? M.デムーロを直撃すると「特別なことをしているわけではないよ」と謙遜しつつ、「彼女は一生懸命走りたいだけ。だから、みんなと一緒に行くとテンションが上がりやすいんです」。馬の気持ちを察して、それに寄り添う。そんな鞍上の姿勢がディヴィーナの好走の陰に見えてきた。

「しっかりコンタクトを取って、折り合いをつけるように。(友道)先生にもらったアドバイスを生かして、返し馬をゆっくりと。だから、レースでも力が残っているんだと思います」

 道中、かかりながらの逃げでも、最後まで後続の追撃を振り切れた府中牝馬Sは、ゲートに向かうまでの“約束事”がしっかり守れていたからこそ。「よく粘りました。本当に能力の高い馬です」と話す名手の表情にも自然と笑みがこぼれる。

「初めて乗った時から、印象がすごく良かった。小柄だけど強い馬ですね。歩き方からも(能力を)持っていそうな雰囲気で、まるでプリンセスみたいでした」

 そんなディヴィーナにとって心強いのは人馬の相性の良さだけではない。頼れる鞍上は[2-1-4-4]と複勝率63.6%。そう、このエリザベス女王杯にもめっぽう強いのだ。12番人気ライラックを同着2着に導いた昨年の好騎乗は記憶に新しい。

「馬のおかげ」とはにかむM.デムーロは「京都の2200メートルはめちゃくちゃ難しい。4コーナーでバランスが崩れやすく、合う馬と合わない馬がハッキリしている。でも彼女は小さくても力があって、バランスがすごくしっかりしている。(コンビで優勝した)モズカッチャン(2017年)とクイーンズリング(16年)…どちらも素晴らしい牝馬でした。彼女も同じくらいのポテンシャルがあると思っています」。

 先週のみやこS(セラフィックコール)制覇で勢いに乗るイタリアの名手が“プリンセス”ディヴィーナを女王の座へと押し上げる。

(栗東の馼王野郎・西谷哲生)

東京スポーツ

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