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熊沢重文「生まれ変わっても騎手を」 誘導馬に騎乗、最後までファン楽しませた引退セレモニー

デイリースポーツ
  • 2023年11月12日(日) 06時00分
 11日付で騎手免許を返納した熊沢重文騎手(55)=栗東・フリー=の引退式が同日、全レース終了後に京都競馬場のウイナーズサークルで行われた。

 式に先立ち、8Rの京都JSでは誘導馬に騎乗するなど、最後までファンを楽しませた熊沢。「引退しますが、騎手という仕事に就けたことに感謝。また、生まれ変わってきたとしても騎手を選ぶと思います」と晴れ晴れとした表情をのぞかせた。

 競馬学校2期生として86年にデビュー。「騎手として大事なことを教えてもらった」という初騎乗のジュニヤーダイオーから38年間の騎手人生。平地・障害双方のG1制覇や障害歴代1位となる257勝の大偉業を成し遂げた。晩年はケガとの戦いだったが、「苦しいこともあった。それでも馬に乗ることが好きだった。勝負の世界にいるのが僕の性に合っていたのかな」と懐かしそうに振り返る。今後の人生のプランについては「今はまだ迷子になっている。探していきます」と語って報道陣の笑いを誘った。

 引退式で、身にまとったのは91年の有馬記念を14番人気で勝利し、大波乱を演出したダイユウサクの勝負服。1番人気で敗れたメジロマックイーンに騎乗していた武豊はビデオメッセージで「僕は忘れません」とチクリとやりつつ、先輩に惜別のメッセージを送った。「二刀流ジョッキーとしてずっと尊敬してきました。寂しいですけど、これからは“熊沢イズム”を受け継いでいきたい」。みんなに愛された二刀流の“鉄人”。その精神は脈々と後輩たちへ受け継がれていく。

 ◆同期の松永幹師「無事に引退できたというのが一番。熊はいつまでも乗っていると思っていたからね。あとはゆっくりしてもらって、競馬を楽しんでもらいたいです。ご苦労さまでした」

提供:デイリースポーツ

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