「マイルCS・G1」(19日、京都)
エエヤンが得意距離で逆襲だ。今春はマイルに転じてから3連勝で
ニュージーランドTを制覇。続くNHKマイルCでは9着に敗れたものの、直線での不利も響いた結果だ。そこから夏場を休養に充て、秋初戦の
毎日王冠を叩いて気配は一気に上昇。陣営がベスト舞台と期待する淀のマイル戦で、最大の惑星となるか-。
調子、条件、展開。3つの要素がガッチリとかみ合って、
エエヤンが大一番へと駒を進める。これまでの主な実績は
ニュージーランドTの1勝だけだが、伊藤大師は強気。「乗り方ひとつ、流れひとつの馬なので、近2戦はかみ合わなかったけど、今回は1回使って良くなっていますし、いいことばかり。これで負けたら『まだ3歳だから』というほかない」と、まるで人気馬を送り出すような勢いだ。
まずは調子面。秋初戦の
毎日王冠を使って、型通りに上昇曲線を描いている。「(肩と股関節の)可動域が全然違ってきたね。1週前はパターンを変えて坂路で追ったんだけど、それが刺激になったのかいい動きだった。蹴り上げるチップの量なんか見た?ものすごく多かったよ」と、週末が楽しみで仕方ない様子だ。
続いて条件面。キャリア初となる関西遠征の負担を差し引いても、指揮官は京都外回りのマイル戦を歓迎する。「しまいにすごくいい脚を使う馬。その引き出し方ひとつ。
ニュージーランドTの時のイメージを持っているジョッキー(M・デムーロ)だし、淀の下り坂は、あの脚を引き出すタイミングも計りやすいでしょう」。この馬の持ち味を存分に引き出せる確信がある。
最後に展開面。マイルCSは基本的にテンからペースが流れやすいレース。今年も積極的に運びそうな馬がそろった。「これで5、6番手のポケットに収まったらうまく運ぶよね」とトレーナー。やはり穴馬を送り出す口ぶりではない。堂々と決戦の淀へ乗り込む。
提供:デイリースポーツ