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東スポ杯2歳S・G2」(18日、東京)
幾多の名馬を送り出した出世レースを制したのは、モレイラ騎乗の4番人気
シュトラウス。これぞ“マジックマン”の成せる業だ。掛かり癖がある若駒を3番手で何とかなだめ、残り300メートルからロングスパート。早々と先頭へ躍り出ると、こん身の左ステッキで鼓舞し、ラ
イバルを振り切って待望の重賞初制覇を果たした。
あり余る
パワーをどう生かすか-。それが
シュトラウスに課せられたテーマだった。一発回答するあたりが名手たるゆえん。モレイラは「正直、コントロールはしにくいタイプ。2頭が速いペースで先導してくれたので助かりました」と額の汗を拭った。
開業10年目の武井師はうれしいJRA重賞初制覇。「言われ続けてうっとうしかった。そう言われなくなったのは良かった」と破顔一笑。父
モーリス、
母ブルーメンブラットという良血の走りに「前走でクリストフ(ルメール)が馬の後ろで我慢してくれたこと。そして今回は返し馬を先出ししてうまくいったこと。それが相まって、ギリギリ収まって何とか押し切れた」と勝因を挙げた。
今後について、指揮官は「状態次第」と明言を避けたが、「ジョッキーは“ポテンシャルは高いが、今のところはペースが必要”と言っていた」と冷静に課題を見つめる。果たして、師走はマイルか、二千か-。来春へとつながる、次の一手に注目だ。
提供:デイリースポーツ