2週前に当欄で推奨した
アドミラルシップ(牡・相沢)が12日の京都・芝内2000メートル新馬戦で見事に勝利を飾ってくれた。アウェーで西の良血馬たちを退けた価値は大。その余勢をかってGI
ホープフルS(12月28日=中山芝内2000メートル)へ打って出る。果たして無傷の連勝で戴冠なるか、その走りから目が離せそうもない。
二番煎じではないが、今週のGIII京都2歳S(25日=京都・芝内2000メートル)にも果敢に関東馬が参戦するとなれば、注目しないわけにはいくまい。ちなみに昨年は冒頭の
アドミラルシップと同じ相沢厩舎の
グリューネグリーンが制しており、関西圏の2歳重賞といえども、関東馬が越えられない壁ではないことはすでに証明済みだ。
今年の関東馬の中で注目したいのは“コスモ”の2騎。“2頭で力を合わせて”などという理論は競馬では成り立たないにしても、取材を進めるにつれ、2頭ともに“勝算あり”の結論に行き着いた。
デビュー4戦目で勝ち上がった
コスモキュランダのキャリアのスタートは6月10日の東京・芝1600メートル新馬戦。次走でGIII
サウジアラビアRCを制する
ゴンバデカーブースから離されること4秒6の大差シンガリ負けを喫したのだが…。3か月の休養を挟んだ後に未勝利戦4→2→1着と確実に
ステップアップして重賞の舞台に立つ。
「血統馬らしく、使うごとに良くなってきましたね。母はもともとノーザン(
ファーム)にいた馬で、筋の通った血統でしたから」とは加藤士調教師。その血統を改めて見直すと、豪州産の
母サザンスピードは重賞3勝を挙げた名牝で、ノーザン
ファーム繁殖牝馬セールでビッグレッド
ファームが高値で購入した経緯がある。兄姉にまだ目立った活躍馬は出ていないが、いつ大物が出現してもおかしくない
バックボーンはあるわけだ。
「デビュー戦は北海道から直接トレセンに入り、ゲート試験を経た後も放牧を挟まないで出走。馬っ気が強くてレースに集中できていませんでした。チークを着けるようになってからはかかるくらいの行きっぷりだし、
シルエットも以前のポテッとしていた感じとは全然違います。先手を取って運べるようなら面白いと思ってますよ」
トレーナーはデビュー時とは別馬の
コスモキュランダの変わり身に手応えをみせている。
一方、
コスモエスメラルダは父
ゴールドシップ譲りの芦毛の好馬体で、5日の東京・芝2000メートル新馬戦時の馬体重が506キロの大型馬。4角手前からステッキが入りながらも、直線では堂々と1馬身1/4抜け出してみせた。
コスモキュランダとは対照的に初戦から結果を出したわけだが、5月6日の遅生まれだけにまだまだ伸びシロはあろう。
「大外枠から外を回る競馬でも直線でしっかりと伸びてくれた。抜け出してからはフラフラしていたけど、強い勝ち方でしたね。勝ちっぷりにまだ余裕があったし、状態面の上積みもある。気性面がこの先どうなるかや長距離輸送などの課題もありますが、クリアしてくれれば、ここでも期待できると思っています」
菅田助手は
ゴールドシップ産駒ならではの課題を挙げつつも、無傷連勝への手応えを隠さない。
京都2歳Sではコスモ軍団の関東2騎が存在感を示す。つまり、昨年に続く関東馬の連勝も大いにあると思っている。
(立川敬太)
東京スポーツ