【競馬人生劇場・平松さとし】今週末、東京競馬場で
ジャパンC(G1)が行われる。20年には日本馬の豪華さが話題となった。上位人気に支持されたのは3頭の3冠馬。すなわち
アーモンドアイと
コントレイル、そして
デアリングタクトだった。
1番人気に推されたのは5歳の
アーモンドアイ。同馬は2年前の3冠牝馬。その後も前々年の
ジャパンCやドバイの
ドバイターフ(G1)を勝つなど、ここまでG1を実に8勝。引退レースとなるここで、自身の持つ
JRA最多G1勝利記録を更新しようとしていた。
2、3番人気に推された
コントレイルと
デアリングタクトはいずれもこの年の3冠馬(後者は牝馬3冠)。共に無敗だった。
結果はこの3頭でワン
ツースリーフィニッシュ。歴史に残る名勝負となった。
さて、レース前から話題となり、実際に素晴らしい勝負となったわけだが、これを現場で目撃できたファンは4604人しかいなかった。もちろん新型コ
ロナウイルスによる入場制限のせいだ。そして、その影響はファンだけではなく、内部の関係者にも及んでいた。
アーモンドアイの手綱を取ったのはご存じ
クリストフ・ルメール騎手だが、彼の奥様であるバーバラさんも、スタンドの一般席で歓喜の涙を流していた。
「レースを終えて引き揚げて来る時のウイニングランでは、観客席にバーバラの姿を探しました」
そう語ったのは
ルメール騎手。先述した通り観客は5000人にも満たなかったが、それでも客席から奥様を見つける事は困難だったそうだ。
「この晩は東京には泊まらず、京都の家に帰りました」と言った
ルメール騎手はさらに続けた。
「帰りの新幹線で、夫婦2人で祝勝会をしました」
人数は緩和されたが、今年もまだ入場制限が実施されている中での
ジャパンCとなる。
イクイノックスに騎乗する
ルメール騎手の応援をするため、バーバラさんは来場するのだろうか。そして、レース後はまた祝勝会をあげられるのだろうか。日曜日の東京競馬場に注目したい。(フリーライター)
スポニチ