「
京都2歳S・G3」(25日、京都)
壮大な夢へ、一歩前に進んだ。混戦を制したのは1番人気の
シンエンペラー。
凱旋門賞馬
ソットサスの全弟が、1分59秒8のレースレコードで初タイトルを手にした。
序盤は進みが悪かったが、徐々にポジションを上げると、そこから“マジックマン”の技がさえ渡る。4角でファイトさせて闘志に点火。最後はゴール前の攻防を制して突き抜けた。モレイラは「能力の高い馬しかできない勝ち方。さすが
凱旋門賞馬の血統」と笑顔をのぞかせた。
「負けたと思ったよ」。こう切り出した矢作師は「強いな。まだ子どもで、その中で勝ち切るんだから能力が高い」と舌を巻く。昨夏にフランスへ出向き、アルカナ社1歳セールで210万ユーロ(約2億9000万円)で落札した期待馬。先日、母スターレッツシスターがこの世を去ったこともあり、貴重な血でもある。「イギリスダービーに登録していないんだよなぁ。英仏ダービー(に出走)っていう、何か方法がないか探ってみたい」と“世界のYAHAGI”は思案を巡らせた。
欧州血統だが、日本の馬場に適応する確信があった。「軽さだよね。柔らかい。暴れたりして、その動きが俊敏だった。運動神経がいいな、と。まだまだ成長するよ」と説明する。指揮官にとって、意外にもこれが今年のJRA重賞初勝利。「状態に問題がなければ
ホープフルS(12月28日・中山)かな」。最高のフィナーレへ、皇帝が突き進む。
提供:デイリースポーツ